≪西東京大会≫明大八王子が11-4で聖パウロ学園を下し4強進出!  ノーシードから3年ぶり準決勝 椙原貴文監督「優勝するつもりで逆算」2年生エース高橋僚を温存

≪西東京大会≫明大八王子が11-4で聖パウロ学園を下し4強進出!  ノーシードから3年ぶり準決勝 椙原貴文監督「優勝するつもりで逆算」2年生エース高橋僚を温存

第108回全国高校野球選手権大会西東京大会(21日、聖パウロ学園4-11明大八王子、神宮)ノーシードから日大二、早大学院、国学院久我山を次々に撃破して、悲願の甲子園に向かって快進撃を続ける明大八王子が聖パウロ学園を11-4で破り、2023年以来3年ぶりの準決勝進出を決めた。

明大八王子は二回に村松凜太朗の三塁打で2点を先制するも、3回は無死満塁、4回は一死満塁と追加点のチャンスを生かしきれず、序盤は選手たちに硬さがみられた。さらに三回には無安打ながら四球やミスが絡んで1点を返され2-1と嫌な流れが漂い始めていた。

「とにかくミスが多かったですね。今日は。今まで見たことないプレーが。本来はやっちゃいけないところなんですけど、神宮球場っていう球場で、これだけの人の前で野球やるって難しいことなんだなって」

午前8時半開始ながら、試合中に気温35度を超える猛暑に加え、今大会初めてプレーする神宮のプレッシャー。優勢に試合を進めながらも、重圧のせいか序盤は思うようなプレーができなかった。

「自分もうまく(采配で)点数に絡ませてあげれなかったんで、申し訳ないと思っていた。『我慢してれば、自分たちがやることちゃんとやってればいずれ点数が入るから。とにかく(気持ちを)入れ替えて、1個ずつちゃんとやろう』と声をかけ、選手たちが迷わずに一生懸命やってくれた」と椙原貴文監督。

五回、死球や野選で無死満塁のチャンスを作ると、8番・松井悠真の適時打、9番・山村幸太郎の押し出し四球、そして2番・菊森健介の2点適時打と打線が繋がり、一挙4得点のビッグイニングを作り出して一気に試合の主導権を握った。六回にも4得点を挙げるなど、終わってみれば12安打11得点での快勝だった。

春は初戦の2回戦で敗退し、今大会はノーシードで強豪ひしめく厳しいブロックに入った。椙原監督は「相手も名前がある学校だし、ものすごく苦しい山を引いたんで、正直ネガティブなところから選手は入っているし、僕自身が一番ネガティブだった」と組み合わせが決まった際の心境を明かす。「春勝てずに夏行くっていうそのリスクっていうのはものすごく恐怖でしかなかったし、選手たちもその恐怖と戦いながら、自分たちで勇気を持ちながら、一歩一歩着実に積み重ねてここまで来れた」と振り返る。

しかし、日大二、早大学院、国学院久我山、そして聖パウロ学園と、強豪校を次々と撃破し、結果的にチームは自信を深める形となった。指揮官は「(強豪校を相手に)上手く乗り越えてくれて、自分たちがやってきたことが間違いじゃないんだよっていうことがだんだん、だんだん選手たちは理解し始めてきた」と目を細め、「今このチームが一番強いのは、自分たちがやってきたことは間違いじゃないという信念があること」と、確固たる自信を深めた教え子たちの成長を誇った。

悲願の甲子園初出場を今年は本気で狙っている。この試合、2年生で背番号「1」を任された高橋僚投手をあえて登板させない起用を見せた。「もうこの前の試合はかなり苦しかった。まだ2年生なのでスタミナがない」とエースの疲労を考慮しつつ、「優勝するための逆算をちゃんとしようと思って、ここはちょっと勝負に出ました」と、準決勝以降を見据えた戦略だったことを明かした。「頼むから3イニング持ってくれ」とマウンドへ送り出した先発の西村一伽が3回を1失点で凌ぐと、その後は「今日は3年生たちが責任を取ってくれると思った」と宇井蒼空にスパッとスイッチ。目論見通りに3年生リレーで勝ち切り、2年生エースを万全の状態で温存したまま準決勝へと駒を進めることに成功した。

悲願の初優勝まであと2勝。指揮官は「今日勝ってもまだ『おめでとう』なんです。『ありがとう』って言われるところまで頑張りたい」と力強くコメントした。会見場に呼ばれカメラマンのリクエストに応えポーズを決める村松らには「調子に乗るなよ!」とまだ2つ残っていることをピシッと伝えた。

2024年4月に明大中野八王子から明大八王子に校名を改めた。過去の最高成績は2000年と05年の準優勝。00年は東海大菅生に3-5で、05年は日大三に2-13で敗れた。

明大の付属校で甲子園出場経験があるのは明治(春4回・夏3回)のみで、最後に出場したのは1965年春。夏の甲子園出場となると、東京大会の決勝で王貞治を擁する早実にサヨナラ勝ちして切符を掴んだ1958年が最後となっている。東大を除く東京六大学の付属・系属校を見ると、春夏通算52回出場の早実、春夏通算30回出場で2023年の全国制覇の記憶も新しい慶応(神奈川)は近年の甲子園常連校。また、法大は法政二(神奈川)の1988年夏、立大は立教(現立教新座=埼玉)の1985年夏が最後の出場。六大学では直近20年でのリーグ優勝回数13度でトップの明大の付属校が、春夏通算で61年、夏に限れば68年と六大学の付属校の中で最も甲子園から遠ざかっているのだ。

筆者は2001年に入学し、2004年に明大中野八王子を卒業している。奇しくも最初の決勝進出の翌年に入学し、2度目の決勝進出の前年に母校を巣立ったため、在学中にあの熱狂の舞台を見ることは叶わなかった。だからこそ、ノーシードから這い上がり、初の甲子園という夢をここまで鮮明に見せてくれている指揮官と選手たちには、一OBとして早くも「ありがとう」と伝えたい気持ちでいっぱいだ。

しかし、その言葉をかけるのは、指揮官の望み通り「最高の結末」を迎える決勝の日まで取っておく。ひとりのOBとしてこの夏、“最高の景色”を見る準備はできている。

明大八王子 今大会の勝ち上がり

配信元: iza!

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