悲劇の主人公を演じる元夫
そして、とうとう部屋を引き払う日がやってきました。退去立ち会いのために私と娘が家へ向かうと、現地で合流した元夫は私たちを見るなり、「今までごめん……俺が本当にバカだった」と、涙をポロポロと流し始めました。
自分ですべてを壊したくせに、すっかり悲劇の主人公になりきって同情を引こうとする姿に、私は心底あきれ果ててしまいました。
今さら後悔しても、時すでに遅し。退去立ち会いが済むと、私は元夫に「じゃあね」と冷たく言い放ちました。娘も、ほぼ家にいなかった父親に対し、特に寂しがる素振りを見せず「バイバイ」とあっさり手を振ります。涙を流しながら立ち尽くす元夫を残し、私たちはその場を後にしたのでした。
今では、養育費の振り込みだけが元夫の生存を確認する唯一の手段であり、どこで何をしているかも知りません。つらい3年間でしたが、気持ちを切り替えて前向きで明るい母親として娘と向き合っていこうと決意しています。
一度だけ、娘に「父親に会いたいか」と尋ねたことがあります。当時5歳になっていた娘は、「もう顔も覚えていないし、会いたいと思わない」と笑って答えました。ほとんどの時間を仕事や不倫相手に費やしていた元夫との思い出は、娘にも一切残っていなかったのです。父親がいなくなった分、娘が寂しい思いをすることがないよう、これからも娘との時間を大切に過ごしていこうと心に誓った出来事でした。
著者:藤崎希恵/40代女性。2010年生まれの一人娘と2人暮らし。倉庫作業の仕事をしている。趣味はディズニーグッズを集めること。娘とディズニーランドやディズニーシーへ行って楽しんでいる。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年7月)
※AI生成画像を使用しています

