筆者の離婚が決まった頃、実家へ帰ろうとした私に母は思いがけない言葉を口にしました。
当時はその意味が分からず、複雑な気持ちを抱えていて──。
母の言葉
「しばらく帰ってこんとって」
離婚が決まった頃、実家へ帰ろうとした私に母はそう言いました。
突然の言葉に耳を疑いました。
離婚後はしばらく実家に落ち着こうかと考えていたわけではありません。
ただ、実家に顔を出すことまで止められるとは思っていなかったのです。
当時は今ほど離婚が一般的ではありませんでしたが、それでも周囲の目は厳しいものでした。
近所付き合いが濃く、親戚同士のつながりも強かったため、人のうわさ話が広まることも珍しくありません。
それでも私は、母の言葉に戸惑いを隠せませんでした。
複雑な思い
当時は親戚が集まるたびに誰かの近況が話題になり、近所でも人のうわさ話を耳にすることが珍しくありませんでした。
離婚したことが知られれば、あれこれ言われるかもしれない。
そんな心配があったのでしょう。
それでも当時の私は納得できませんでした。
離婚は確かに望んだ結果ではありません。
しかし、自分なりに考えて出した結論です。
それなのに、まるで隠さなければならないことのように扱われている気がしたのです。
「離婚ってそんなに隠さなければならないことなのだろうか」
母の言葉を思い出すたび、納得できない気持ちだけが残りました。

