風、薫る【文さん】内田慈、上坂樹里は「看病の芝居がすごく優しい。大家直美という看護婦を志す人間として生きてきた証」

風、薫る【文さん】内田慈、上坂樹里は「看病の芝居がすごく優しい。大家直美という看護婦を志す人間として生きてきた証」

女優の見上愛が一ノ瀬りん、上坂樹里が大家直美という2人のヒロインを演じるNHK連続テレビ小説「風、薫る」(総合ほか)の第85回が24日に放送され、女優・内田慈が演じた柳川文が天国へと旅立った。娘の直美に看取られながら静かに息を引き取る最期は多くの視聴者の涙を誘ったが、内田は直美を演じた上坂を「すごく優しいんです」「彼女が大家直美という看護婦を志す人間としてここまで生きてきた証でもあるのだろうと感じました」と大絶賛。劇中では伝わりきらない撮影現場で感じた上坂の細やかな所作や人柄にまで触れながら、その演技を高く評価している。

文は、清水卯三郎(坂東彌十郎)が営む「瑞穂屋」の店員。店が扱う商品を誰よりも知り尽くし、外国人客の接客もこなす働き者として描かれてきた。一方で、その正体は、かつて女郎屋「錦栄楼」で初代夕凪として働いていた女性。身重の体で懇意にしていた男性客と店を抜け出したものの、相手に捨てられ、幼いわが子を育てる術もないなか、横浜の教会に預けるという苦渋の決断を下した。末期の胃がんを患ってからは、献身的に看病する直美との交流を通じ、2人が母娘であることが強く示されていったが、文は最後まで自ら母親であるとは言い切らず、直美もあえて答えを求めなかった。その曖昧さを残したまま、生涯かけて蓄えた全財産を看護費用として直美に託し、最期は娘に寄り添われながら静かに息を引き取った。血縁を明言するのではなく、互いの思いを受け止め合う形で別れを迎えた母娘の姿は、第17週を象徴する場面となった。

朝ドラ「風、薫る」とは?

大関和と鈴木雅という実在した2人のトレインドナース(正規に訓練された看護師)をモチーフにした朝ドラ。激動の明治時代、まったく違う境遇に生まれ、それぞれ生きづらさを感じていた2人の女性が、未開の看護の道を切り開いていく姿を描く。「あなたのことはそれほど」「病室で念仏を唱えないでください」「くるり~誰が私と恋をした?~」などの連ドラで知られる吉澤智子さんが脚本を書く。主題歌「風と町」を歌うのは、Mrs. GREEN APPLE。

内田慈 Q&A

――柳川文役を演じられていかがでしたか?

「文が元・女郎であり直美のお母さんであるということ、具合が悪くなった文を看護するなかで直美に新たな決意や気持ちが生まれるということを最初に聞いていたので『これはすごい大役をいただいたな』と思いました。

このドラマは必死で生きる人たちがバトンを渡して進む物語。文としてきちんとバトンを渡す役割を果たしたいという思いで演じていました。

文は冷静でスンとした人なのかと思っていたら、美津さんや卯三郎さんと楽しく笑ってしまうようなところもあり、つかみどころがない人。直美が自分の娘だということも『ここで気づいた』というはっきりとしたポイントはないんですよね。自分のことを語らないと決めている人で疑問が生じても深掘りせず、フワッとそのまま置いておくようなところがある気がします。『まさか……』が重なって『やっぱりそうなのか』と受け入れた感覚。

人生の辛酸をなめてきた文は『こういう現実ってあるんだよね』と、娘との再会という奇跡的な偶然も妙に静かに受け入れられたのだと思います。

今まで演じたことのないタイプの役でしたが、気づいたら自分の中に文という人間がはっきりといた。そんな役作りは初めてでおもしろく、私にとって特別な役になりました」

――娘である直美を演じる上坂樹里さんへの思いは?

「上坂さんへの思いはたくさんあります。直美が文の看病をしてくれるシーンで、例えば“手を取る”とか“体を支える”というお芝居のとき、上坂さんはすごく優しいんです。“自分とは違う人間に触る”ということに対しての敬意や注意を感じました。それでいて遠慮せず支えてくれるから不思議なものが両立していて、安心して身を預けたい気持ちになりました。

彼女自身が持っているものが出ているのでしょうけれど、更に彼女が大家直美という看護婦を志す人間としてここまで生きてきた証でもあるのだろうと感じました。

上坂さんとは空き時間は全然関係のない話をしていましたが、撮影が始まると二人ともなるべくフラットでいたいからおしゃべりはしないほうが楽なタイプ。その空気感も居心地がよく自然な信頼関係が生まれた気がします」

配信元: iza!

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