離島に興味を持ってもらうためのデザイン
有人離島カードには「カードをきっかけに離島に興味を持ってもらいたい」というコンセプトがあり、そのため島の形や、人口、面積、日本のどこに位置しているかなど、直感的にわかるような情報の選定にこだわったとゼンリンは語ります。
そのためカードに記載する地図のデザインは、水域・等高線・道路・建物の情報のみを掲載し、「ここに人が集まっている」「地形にそって道路が作られている」など一目で興味を引くようになっています。
開発に当たっては、「人口や面積など、毎年変動する離島の情報をどの時点のデータでそろえるか、基準を明確にする」点で特に苦労したといいます。情報の正確性を担保するため、公益財団法人日本離島センターのアドバイスを受けながら、同センターの書籍、国勢調査の公開情報などを軸に制作して出典も明示しているそうです。
第1弾から第4弾まで、それぞれの弾のラインアップについては、「レア度を鑑みながら、どの弾もなるべく全国の離島がラインナップされるよう」選定しているといいます。
ちなみに商品企画担当者の一推しカードは沖縄県の黒島で、次のようにコメントしています。「最初にカードで島全体や等高線を見た時に、山や土地の傾斜がほとんどない島だなという印象で興味を持ちました。実際に調べてみると「牛の島」と呼ばれるほど畜産が盛んで、人口より圧倒的に多い約3,000頭の牛がいることが分かりました。またウミガメが産卵のために上陸するという情報もあり、美しい海をはじめとした豊かな自然に囲まれた島で生活している人々にも興味が湧きました。沖縄県にはまだ行ったことがないのですが、一度は訪れてみたい場所になった推しの1枚です」
「離島にスポットを当ててくれて嬉しい」の声も
2026年5月末時点で有人離島トレカシリーズは累計販売枚数18万枚を突破。販売枚数のみならず、購入者からも想定以上の反響があったといいます。当初のターゲットであった「30代~50代男性」以外にも幅広い層が購入しているそうです。
SNSを中心に「全種類揃えたい」「開封そのものが楽しい」といった、トレーディングカードならではの楽しみ方に関する声が多く、また実際にカードを持って離島を訪れ、その様子をSNSに投稿する人もいるのだとか。
離島の出身者や縁のある方からは、「離島にスポットを当ててくれて嬉しい」「地元の島がカードになっていて嬉しい」といった声も寄せられているといいます。
ヒットの要因について、ゼンリンは次のように語っています。「当社らしさ、独自性を出せたことが要因としては大きいと思っています。他社様と類似しているものではカード市場が大きいため、埋もれてしまう可能性がありますが、今回のテーマは日本全国の離島を調査し、データ保有しているゼンリンだからこそできるものであり、その点が受け入れられたと思っております」
第1弾発売時には全304島が網羅されるかは確定していませんでしたが、ゼンリンは当初からコンプリートはしたいと思っていたとしています。好評を博し、全304島のトレカを発売できたことについて「大変嬉しく思っています」と語っています。「お客様それぞれに、思い入れや縁のある離島は異なるため、全304島を多くのお客様に届けることができたことは嬉しく、またホッとしています」

