「腎臓がん治療中」に気を付けたい”食事のポイント”はご存じですか?医師が解説!

「腎臓がん治療中」に気を付けたい”食事のポイント”はご存じですか?医師が解説!

腎臓がん治療中に気をつけたい食事のポイントと、食欲不振が続く場合の対処法について、メディカルドック監修医が解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「腎臓がんに良い食べ物」とは?腎臓がんの患者さんが避けたほうがよい食習慣も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

西田 陽登

監修医師:
西田 陽登(医師)

大分大学医学部卒業。大分大学医学部附属病院にて初期研修終了後、病理診断の研鑽を始めると同時に病理の大学院へ進学。全身・全臓器の診断を行う傍ら、皮膚腫瘍についての研究で医学博士を取得。国内外での学会発表や論文作成を積極的に行い、大学での学生指導にも力を入れている。近年は腫瘍発生や腫瘍微小環境の分子病理メカニズムについての研究を行いながら、様々な臨床科の先生とのカンファレンスも行っている。診療科目は病理診断科、皮膚科、遺伝性疾患、腫瘍全般、一般内科。日本病理学会 病理専門医・指導医、分子病理専門医、評議員、日本臨床細胞学会細胞専門医、指導医。

腎臓がん治療中の食事の制限と注意点


腎臓がん患者さんの食事で一般的に注意すべきポイントをまとめます。特に、腎臓の負担を減らし、体調を整えるための工夫として、以下の点を意識してみてください。

塩分を控える

塩分の取りすぎは腎臓に負担をかける大きな要因です。塩分を過剰にとると体内のナトリウムバランスが崩れ、水分を溜め込みやすくなります。その結果、血圧が上昇し、腎臓の細い血管に負担がかかって腎機能が低下しやすくなります。特に腎臓を一つ失った場合や元々腎機能が低下している場合は、高血圧が残った腎臓を痛める原因になりかねません。そこで、減塩を心がけましょう。具体的には、1日6g未満の塩分摂取を目標にしましょう。

太らない食生活を心がける

適正体重の維持も腎臓がん患者さんの食生活で重要なポイントです。肥満は腎臓への負担を増やし、高血圧や糖尿病など腎臓を悪くする病気を引き起こしやすくなります。実際、腎臓がんの発症リスクにも肥満が関与することが知られており、術後も体重の増加には注意が必要です。太らないようにするには、カロリーのとりすぎに気をつけることが基本です。油っこい揚げ物や菓子類、甘い清涼飲料など高カロリーのものを控えめにし、野菜やきのこ類でかさ増しして満腹感を得る工夫をしてみましょう。どうしても食事だけで体重管理が難しい場合は、軽い運動も取り入れて消費エネルギーを増やすことも有効です。無理のない範囲で散歩や体操を行い、筋力を維持することは体調回復にも役立ちます。

水分摂取を忘れない

腎臓の働きを助けるために、こまめな水分補給も大切です。水分をしっかりとることで、腎臓が老廃物を尿として排出しやすくなります。反対に水分不足になると、尿が濃くなって腎臓に負担をかけたり、脱水によって腎機能が急に悪化する場合もあります。

ゆっくりよく噛むように心がける

一口ごとにゆっくりよく噛んで食べることも、食事療法の基本かつ重要なポイントです。よく噛むことで食べ物が細かくなり、消化管への負担が軽くなります。また、唾液がたくさん出るため、口の中や喉が潤って飲み込みやすくなります。抗がん剤治療などで口内が渇きやすい方や、食べ物の味を感じにくい方にも、ゆっくり噛むことは役立つ工夫です。飴をなめたりガムを噛んだりするのも唾液の分泌を促す助けになります。

腎機能の低下がみられる場合はタンパク質を制限する

腎機能が低下している患者さんでは、タンパク質の摂取制限が求められる場合があります。タンパク質は筋肉や臓器の材料として欠かせない栄養素ですが、同時に分解産物が出ます。これら老廃物は腎臓から排泄されますが、腎機能が落ちていると十分に捨てきれず身体に溜まってしまうことがあります。そのため、腎臓に負担をかけないよう必要最低限のタンパク質だけ摂ることがすすめられます。

腎臓がん治療中の食欲不振への対処法

治療中や術後に、食欲が出ないという時期があるかもしれません。食欲不振はがん患者さんにはよく見られる症状です。腎臓がんの場合も、手術直後や薬物療法中に一時的に食欲が落ちることがあります。ここでは、腎臓がん治療中の食欲不振への対処法をいくつかご紹介します。

食べやすいものを少量ずつ食べる

冷たくて喉ごしのよい食品を活用する

においを抑えるため料理を冷ましてから食べる

栄養価の高いものを選ぶ

以上のような対処法を試しても食欲不振が続く場合や、体重がどんどん減ってしまう場合は、早めに主治医に相談しましょう。

腎臓がんの食事についてよくある質問

ここまで腎臓がんの食事について紹介しました。ここでは「腎臓がんの食事」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

腎臓がんの患者さんが避けたほうがよい食習慣を教えてください。

腎臓がん患者さんが避けるべき食習慣としては、主に腎臓や全身に負担をかけるような不健康な食生活が挙げられます。

塩分過多の食事

暴飲暴食

高カロリー・高脂肪の食事

動物性タンパク質の過剰摂取

水分不足

これらを守れているか不安な場合は、主治医や管理栄養士に普段の食事内容を相談し、改善点をアドバイスしてもらうとよいでしょう。

腎臓がんの発生と食習慣に関係はありますか?

腎臓がんの発生要因として、食習慣がまったく無関係とはいえません。腎臓がんの危険因子として医学的に確立しているのは、喫煙と肥満です。肥満になりやすい食生活、つまり高カロリーで野菜や果物が少ない偏った食事は、結果的に腎臓がんのリスクを高める可能性があります。

腎臓がんの再発を避けるためにできることを教えてください。

腎臓がんの再発予防について、確実な方法は残念ながら存在しません。しかし、生活習慣を整えることで再発リスクを下げる手助けになる可能性があります。特に以下の点に留意してください。

禁煙

適度な運動と体重管理

減塩

バランスのよい食事

十分な水分補給

規則正しい生活

定期検査と受診

これらで再発を完全に避けられるわけではありませんが、これら生活習慣に取り組むことで再発しづらく、そして早期発見につなげることが期待されています。


配信元: Medical DOC

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