情にほだされてしまうのか?
久しぶりに会った拓也さんは以前よりかなり痩せていて、肌の色も悪く明らかに不健康そうでした。
「そんな拓也が必死になって私に追いすがってくる様子が切なくて。たとえるなら、1年前に私の手を噛んで逃げていった飼い犬が、ある日いきなり痩せ細ったボロボロの姿で帰ってきて、一生懸命に甘えて助けを求めているような……そんな風に見えてきたんです」
何だか放っておいたら野垂れ死にしてしまいそうな拓也さんの雰囲気に、つい心が動いてしまった未来さんは「じゃあまた友達からやり直しだからね。不愉快な思いをさせられたら即、縁を切るから」となぜかOKの返事をしてしまったんだそう。
「そんなつもりはなかったのに、つい情にほだされてしまったというか……私ってお人好しだなと思いましたね」
心を入れ替えた元夫の態度に
ですがそれ以来、拓也さんは本当に心を入れ替えたようで、未来さんに対する細やかな気遣いが感じられるようになりました。「よっぽど独りでいた1年間がこたえたのか、私と楽しい時間を過ごそうとする姿勢というか、集中力がすごくて(笑)。なんだかんだで今は友達から彼氏に昇格しました。あの経験から学んだことを教訓にして、同じような失敗を二度と繰り返さないでほしいですね」と微笑む未来さんなのでした。
<文・イラスト/鈴木詩子>
【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop

