人工肛門(ストーマ)の日々のケア方法と、食事や運動など日常生活で気をつけたいポイントを医師が解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「人工肛門(ストーマ)」が必要になる病気・疾患はご存知ですか?医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
齋藤 雄佑(医師)
日本外科学会外科専門医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。
人工肛門(ストーマ)とは?
人工肛門(ストーマ)とは、病気や怪我などが原因となり手術によって腹部に作られる、便を体外へ排出するための開口部のことです。ストーマの主な目的は、直腸や肛門が適切に機能しない、または治療のためにバイパスする必要がある場合に、便を安全に体外へ排出することです。この手術では、小腸または大腸の一部を腹部の表面に引き出します。自然な肛門とは異なり、ストーマには括約筋がないため、便の排出を意図的にコントロールすることはできません。そのため、ストーマには、便を溜めるためのパウチと呼ばれる装具を装着して生活します。今回はストーマについて、その種類や原因、ストーマトラブルの対処法について徹底解説をしていきます。
人工肛門(ストーマ)のケア方法
皮膚を清潔に保つ方法
ストーマ周囲の皮膚は、装具交換のたびに温水と低刺激性の石鹸で優しく洗浄します。刺激の強い石鹸、香料やオイルを含む洗浄剤、アルコール含有ワイプの使用は避けるようにしましょう。洗浄後は、温水で十分に洗い流し、新しい装具を装着する前に、優しく完全に乾かします。装具交換のたびに、ストーマ周囲の皮膚に発赤、刺激、びらんなどの兆候がないか確認しましょう。皮膚を刺激や水分から保護するために、バリアワイプ、スプレー、パウダーなどの皮膚保護剤の使用を検討してみてください。良好な接着が得られれば、皮膚トラブルを防ぐことができます。
臭いや汚れをキレイに落とす方法
臭いを効果的に管理するには、ストーマパウチの排液量が3分の1から半分程度の量になったら中身を捨てるようにすることがおすすめです。これにより、パウチが重くなりすぎて漏れたり、外れたりするのを防ぎ、臭いの蓄積も最小限に抑えられます。臭いを中和するために、ストーマパウチ専用に設計された消臭スプレー、ドロップ、または潤滑剤などの消臭剤などもありますので、使用を検討しましょう。排液を捨てた後は、臭いが漏れないように、パウチが適切に閉じられているか確認する必要があります。ストーマパウチには、パウチ内で発生する臭いを吸収して中和する活性炭フィルターが内蔵されているものもあります。
ストーマ装具の適切な交換方法
ほとんどのストーマ装具は3〜7日間装着できますが、漏れや皮膚の炎症がある場合は、より頻繁に交換する必要があります。ストーマの活動が少ない時間帯、例えば朝食前や水分摂取前などに装具を交換するのが最適です。古い装具を剥がすときは、皮膚を傷つけないように優しく行うようにしましょう。皮膚保護剤が剥がれにくい場合は、粘着剥離剤を使うと剥がしやすくなります。新しい装具を装着する前に、ストーマ周囲の皮膚を完全に清掃し、乾燥させましょう。新しい皮膚保護剤の開口部は、ストーマにぴったりとフィットするように、ストーマに触れないように適切なサイズにカットします。新しい装具を装着し、漏れを防ぐためにしっかりと密着させてください。皮膚保護剤の周囲を優しく押して、皮膚に密着させて装着完了です。

