完璧主義のAさんは、結婚を機にどんどん自分を追い込んでしまい──?
完璧な母を追いかけて限界に
現在50代のAさんが、会社員としてフルタイムで働きながら結婚したのは、まだ20代の頃でした。
当時の彼女がそこまで家事にこだわっていたのには、理由がありました。Aさんの実母は専業主婦で、家のことを何でも完璧にこなす人だったのです。
その立派な背中を見て育ったAさんは、「私も母のように、すべてを完璧にやらなければならない」「仕事をしているからといって、家事をおろそかにしてはいけない」と強く思い込み、典型的な完璧主義に陥っていました。
毎日の食事は一汁三菜を手作りし、部屋の掃除も隅々まで欠かさない。しかし、フルタイム勤務でそんな生活が長く続くはずもなく、Aさんは次第に睡眠不足と疲労で心身ともに追い詰められていきました。
義母からの魔法の言葉
そんなある日、様子を見かねた義母がAさんの家にやってきました。疲れ切った20代のAさんの顔を見た義母は、優しくこう言ったのです。
「Aさん、手抜きはダメだけど、適当にしなさい」
「適当に……?」
最初は、その言葉の意味がよく理解できませんでした。「適当=だらしない、サボること」だと思っていたAさんは、どうすればいいのか戸惑ってしまったのです。
しかし数日後、その意味に気づく決定的な「きっかけ」がありました。義母が夕食のおかずを差し入れしてくれた時のことです。
義母は「今日は市販のお惣菜と、カット野菜を使ったのよ。でも、お皿に綺麗に盛り付けて、温かいお味噌汁だけはパパッと作ったわ」と笑って言いました。

