
炭酸水を飲み過ぎるとどうなる?(画像はイメージ)
【画像】「えっ…!?」 これが「炭酸水」を飲んではいけない人の“特徴”です
夏に無糖の炭酸水を飲む人は多いのではないでしょうか。喉越しが良く、炭酸でリフレッシュできるため、暑い時期に重宝すると言えます。健康のためビールや砂糖入りの炭酸飲料の代わりに飲むケースも増えています。
ところで、熱中症対策として炭酸水を飲んでも問題はないのでしょうか。また、「炭酸水を飲み過ぎると胃潰瘍になる」と主張する人がいますが、本当なのでしょうか。天王寺やすえ消化器内科・内視鏡クリニック(大阪市天王寺区)院長で総合内科専門医、消化器病専門医、内視鏡専門医の安江千尋さんに聞きました。
炭酸水で水分補給してもよい?
Q.そもそも、熱中症対策として炭酸水を飲んでも問題はないのでしょうか。
安江さん「結論から言うと、無糖でカフェインを含まない炭酸水であれば、熱中症対策の水分補給に使っても基本的に問題ありません。
炭酸水は、水に二酸化炭素を溶かした飲み物です。炭酸が入っているからといって、水分が体に吸収されにくくなったり、飲んだ水分がすぐに尿として出てしまったりするわけではありません。そのため、水分補給という点では、普通の水と大きな違いはありません。
ただし、熱中症予防で最も大切なのは、『何を飲むか』よりも、『必要な量をきちんと飲めているか』です。暑い環境では汗をかくことで体の熱を逃がしていますが、水分が不足すると汗をかきにくくなり、体に熱がこもりやすくなります。喉が強く渇く前から、こまめに水分を補うことが大切です。
炭酸水を飲むと、炭酸ガスによって胃が膨らみ、おなかの張りや満腹感を覚える方がいます。そのため、炭酸水では必要な量を飲みにくい場合があります。そのような人は、炭酸水だけにこだわらず、普通の水なども一緒に取り入れるとよいでしょう。
日常生活で軽く汗をかく程度であれば、水や炭酸水と通常の食事で対応できることが多いです。一方、炎天下での長時間の運動や屋外作業などで大量の汗をかいた場合は、水分だけでなく塩分も失われています。その場合は、食事で塩分を補ったり、電解質を含む飲み物を利用したりすることも大切です。
スポーツドリンクや経口補水液は、脱水状態の改善を目的に、水分と塩分の濃度を調整した飲み物です。特に経口補水液は、下痢や嘔吐(おうと)、発熱、大量の発汗などで脱水が疑われるときに適しています。健康な人が日常の飲み物として大量に飲み続ける必要はありません。
また、『無糖の炭酸水』と『ゼロカロリーの炭酸飲料』は同じではありません。ゼロカロリー飲料には、人工甘味料や香料、カフェインなどが含まれている場合があります。シンプルな水分補給を目的とするなら、原材料が水と二酸化炭素を中心とした製品を選ぶと分かりやすいでしょう。
まとめると、無糖・無カフェインの炭酸水は、熱中症対策の水分補給に利用できます。ただし、炭酸水に特別な熱中症予防効果があるわけではありません。炭酸でおなかが張って十分に飲めない場合や、大量に汗をかく状況では、水や電解質を含む飲み物も組み合わせ、必要な水分を確保することが大切です」
炭酸水を飲み過ぎると胃潰瘍に?
Q.炭酸水を飲み過ぎると、体にどのような影響を及ぼすのでしょうか。また、炭酸水の1日の摂取目安量はあるのでしょうか。
安江さん「無糖の炭酸水は、健康な人が普通に飲む範囲であれば、大きな健康被害を起こす飲み物ではありません。ただし、飲む量や体質によっては、胃や腸の不快な症状が出ることがあります。
よくみられるのは、げっぷや胃の張り、おなかの張り、早めの満腹感などです。炭酸水を飲むと、胃の中で炭酸ガスが広がるため、一時的に胃が膨らんだように感じます。特に、短時間に大量に飲んだ場合や、食事中・食後にたくさん飲んだ場合は、不快感が出やすくなります。
一方で、炭酸水を飲むと、すべての人で胃の動きが悪くなるわけではありません。影響には個人差があります。
『機能性ディスペプシア』という、胃もたれや胃の張りなどが続く病気や、『過敏性腸症候群』という、おなかの張りや下痢、便秘などが続く病気のある人の場合、炭酸水を飲むと症状を強く感じることがあります。ただし、これらの持病がある人すべてが、症状が悪化するわけではありません。飲んだ後に調子が悪くなるようであれば控えるという考え方が現実的です。
逆流性食道炎との関係についても、炭酸水が病気そのものを引き起こすと証明されているわけではありません。ただし、炭酸水を飲んだ後に、げっぷ、胸やけ、酸っぱいものが上がってくる感じなどが出る人はいます。そのような場合は、飲む量を減らしたり、食後すぐや寝る前の大量摂取を避けたりするとよいでしょう。飲んだ後に症状が気になる場合は摂取を控えてみましょう。
『炭酸水を飲むと胃に穴が開く』『胃潰瘍になる』と心配される人もいますが、無糖の炭酸水が胃炎や胃潰瘍の原因になるという医学的な根拠は確認されていません。
また、1日に何リットルまでという明確な上限も決められていません。必要な水分量は、年齢や体格、運動量、気温、発汗量、食事内容、持病などによって異なるためです。
そのため、『1日○リットルまで』と決めるよりも、げっぷや腹部膨満感、胸やけなどが出ない範囲で飲むことが大切です。炭酸水でおなかが張る場合は、普通の水と組み合わせるとよいでしょう」
