●全国では外国人受刑者は6.6%
実際、矯正統計年報のデータから、2024年末時点の全国の刑事施設全体に占める外国人受刑者の割合を計算すると、6.6%になる。
施設ごとの差も大きい。
たとえば、多くの無期懲役囚を収容する千葉刑務所では、受刑者757人中25人(3.3%)、熊本刑務所では304人中3人(1%)が外国人だった。(いずれも矯正統計年報のデータで、2024年末時点の受刑者数)
刑務所ごとの割合は、その施設が担う役割によって大きく左右されるため、一施設の数字だけで全体像を判断することはできない。

●数字の背景を見る必要がある
もちろん、小野田氏が述べたように、「言語や文化、風習の違いから受刑者の特性を踏まえた処遇をすることの難しさ」は、現場の刑務官にとって大きな課題だろう。
一方で、外国人受刑者を集中的に収容する府中刑務所の状況を踏まえ「受刑者の約4人に1人が外国人」であることから、「外国人犯罪への厳格な対応の必要性を再認識した」と結びつけるのであれば、その前提となるデータの位置づけには留意が必要だ。
令和7年版犯罪白書によると、従来のF指標に該当する入所受刑者は2005年から減少傾向にあり、近年は400人台で推移していたが、2024年は574人となり、前年より25.1%増えた。外国人全体でも2024年に入所した受刑者は851人となり、16.9%増えている。
この背景には、在留外国人の増加があるのか、それとも摘発の強化など別の要因があるのか。数字だけでは判断できない。
外国人に限らず、犯罪の実態を議論する際には、数字の背景に何が隠れているのかを冷静に分析することが求められる。

