猫がかかりやすい『ホルモンの病気』3選
1.甲状腺機能亢進症
甲状腺機能亢進症は、高齢猫で特によく見られるホルモンの病気です。
甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンが過剰になることで代謝が活発になり、全身にさまざまな影響を及ぼします。
【原因】
多くの場合、原因は甲状腺の良性の病変(結節性過形成や腺腫)によるものと考えられています。
【症状】
食べているのに痩せていく(一番気づきやすい特徴です) 急に活発になりすぎる、落ち着きがなくなる 水を飲む量や、おしっこの量が増える 嘔吐や下痢をする一見「高齢なのに元気になった!」と勘違いしがちですが、実は病気による空回りの可能性があります。進行すると高血圧や心疾患を併発するリスクもあるため、油断は禁物です。
【治療】
一般的には、ホルモンの分泌を抑えるお薬(内服薬)での治療を行いますが、猫の状態によっては、手術や食事療法(ヨウ素制限食)が検討されることもあります。
甲状腺機能亢進症は、放置すると命に関わるケースもありますが、早期に発見して適切な治療を続ければ、多くの猫は良好にコントロールしながら生活することが可能です。
2.糖尿病
糖尿病は、血糖値を下げる唯一のホルモンである「インスリン」が不足したり、うまく働かなくなったりすることで起こる病気です。
【原因】
肥満や年齢的な要因のほか、ほかのホルモンの病気がきっかけとなって発症してしまうケースもあります。
【症状】
水をたくさん飲む、おしっこの量が増える(多飲多尿) 食欲はあるのに体重が減少する 被毛の状態が悪化最初は「よく食べて元気だな」と思われがちですが、病気が進行すると一転して元気がなくなり、食欲も低下します。
【治療】
インスリン注射を軸に、食事管理や体重コントロールを組み合わせて血糖値を安定させていきます。
糖尿病は一度発症すると完治は難しく、重症化すると「ケトアシドーシス」と呼ばれる危険な状態に陥るリスクもあります。
しかし、適切な治療によって血糖値を良好にコントロールしていけば、十分に長生きが可能な病気です。
3.副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
副腎皮質機能亢進症は、ストレスへの対応などに関わる「コルチゾール」というホルモンが過剰に分泌される病気です。
猫では比較的まれですが、発症すると全身にさまざまな異常が現れます。
【原因】
脳の下垂体や副腎の腫瘍などが多いとされています。
【症状】
多飲多尿 筋力低下 脱毛 体重減少などです。また、糖尿病を併発するケースが珍しくありません。
【治療】
治療法は原因によって異なり、内服薬でホルモンの分泌を抑えたり、腫瘍に対して手術を行ったりします。糖尿病を併発している場合は、その治療も行います。
まれな病気ではありますが、放置すると全身状態が悪化し、命に影響を及ぼしかねません。
適切な治療で病気をコントロールして、症状の改善や生活の質(QOL)の維持を目指すことが重要です。
ホルモンの病気を早期発見するために飼い主ができること
ホルモンの病気は、初期症状が加齢による変化とよく似ているため、発見が遅れることがあります。
たとえば「食べる量は変わらないのに痩せてきた」「以前より水をよく飲む」「急に活発になった、または元気がなくなった」などは、ホルモン異常が隠れているサインかもしれません。
しかしこうした病気は、血液検査や尿検査などで診断できるケースが多く、早期に治療を始めることで、症状を和らげたり病気の進行を遅らせたりできる可能性があります。
そのため、とくに7~10歳を過ぎた猫では、見た目に異常がなくても定期健康診断を受けたり、小さな異変にも気をかけて、病気の早期発見に努めましょう。

