女優の見上愛が一ノ瀬りん、上坂樹里が大家直美という2人のヒロインを演じるNHK連続テレビ小説「風、薫る」の第90回(31日放送)で、Aぇ!groupの佐野晶哉が演じる「シマケン」こと島田健次郎がりんにようやく告白し、一向に進展が見られなかった2人の恋にようやく最初の火が点った。
シマケンは小説家を志しながら新聞社で働く文学青年。新しく生まれた言葉や外国語に造詣が深い。上京間もないりんが日本橋で舶来品などを手広く扱う「瑞穂屋」で働いていた頃、客として知り合い、次第にりんの良き相談相手となった。浜松の料理屋の息子で、姉3人兄1人の5人きょうだいの末っ子。現在は書評家として生計を立てている。りんへの恋心を温め続けており、何度か告白の機会があったもののなかなか伝えることができないまま、りんが女学校の舎監として新潟に単身赴任して離れ離れに。第90回(31日放送)では、シマケンの思いを知る直美の計らいで、りんの娘・環(英茉)と3人で新潟まで会いに行き、日本海を前に浜辺で2人きりとなったところで、やや間接的にではあるが「(りんと一緒にいる時間が)愛おしいです」と初めて自身の思いを告げた。
そんなシマケンを好演する佐野が、長く演じてきたなかでの心境の変化や、告白シーンを演じた際の裏話、今後のシマケンの動向などについて語った。
朝ドラ「風、薫る」とは?
大関和と鈴木雅という実在した2人のトレインドナース(正規に訓練された看護師)をモチーフにした朝ドラ。激動の明治時代、まったく違う境遇に生まれ、それぞれ生きづらさを感じていた2人の女性が、未開の看護の道を切り開いていく姿を描く。「あなたのことはそれほど」「病室で念仏を唱えないでください」「くるり~誰が私と恋をした?~」などの連ドラで知られる吉澤智子さんが脚本を書く。主題歌「風と町」を歌うのは、Mrs. GREEN APPLE。
佐野晶哉 Q&A
――ここまでシマケンを演じてきて、最初のころと変化はありますか?
「他のドラマや映画などと比べて“朝ドラ”は撮影の日数が長いので、役に対する思い入れや理解は深まっている気がしますし、演じていくうちに最初に思っていたシマケン像とは全然違うのだと感じました。
登場週(第3週)では自分が知っていることを話すときだけスラスラとテンポよく話し、りんに対しては不器用で少しそっけない対応をしていましたよね。それが、気づいたら美津さん(水野美紀)や安さん(早坂美海)、更にお隣さんとまでと仲よくなって。心を許した相手には笑顔を見せて懐に入ってしまうキャラクターなのだと演じていくうちに知りました。
こんなに笑うキャラクターだとも思っていなかったのですが、それは周りのキャストの皆さんに引き出してもらった感覚があります。台本を読み進めると『確かにシマケンはこんな人だよなぁ』と今まで僕が演じてきたシマケン像とつながる気持ちのよい瞬間もあり、パズルが完成していく感覚になります。
1年かけて撮影させていただけるからこその役作りのおもしろさを実感しています」
――第18週の最後でりんに会いに新潟へ行きますが、海でのふたりのシーンが印象的でした
「あのシーンはシマケンがひとつピリオドを打つような、男らしく気持ちを伝えるシーンにしたいと演出の皆さんがおっしゃっていたので、とても悩み、言い方やセリフもたくさん相談して作ったシーンです。
りんを真っすぐ見つめながら『愛おしいです』とセリフを言ったら僕もなぜか泣いていたし、そのあとの見上さんもボロボロ泣いていて。撮り終わったあと演出の方とカメラチェックしたとき、すごくいい顔をした見上さんの表情を見て『あぁよかった』と思いました。僕にとっても特別なシーンになりましたね」
――今後のシマケンへの思いは?
「第18週の海のシーンでは、“朝ドラ”のなかで主人公の恋に関わる相手としての大きい仕事を一つできたのではないかとうれしくて。見上さんからすてきな表情を引き出せて『ああ、僕の仕事ってこういうことなんだな』と改めて思ったんです。『シマケンがこう見えるように』とか『シマケンの感情が』とかではなく、『風、薫る』のりんと直美というふたりの主人公がどのように見えるかが大切だと思いました。
これから先のシマケンがどうなるかまだ分からないですが、ふたりの主人公や、その家族にいい影響を与えて作品のいいスパイスになれるようにこれからも精いっぱい演じていこうと思います」

