「レイのブログ」をヒントに謎の人物の正体を暴き出せ!

ゲームは、ある日の放課後、主人公のカバンに見覚えのない封筒が入っているところから始まる。それは「レイ」と名乗る謎の人物からの「“私”を見つけてください」という挑戦状だった。与えられた資料を見ると、どうやらレイの正体はクラスメイトの中にいるらしい。さらに別の資料に書かれているQRコードをスマホに読み取ると「レイのブログ」なるサイトに導かれ……。主人公は協力者・白石の助けを得ながら、レイのブログを頼りにその正体を解き明かしていく。

このゲームの特徴の一つが、ゲームの中だけでは謎解きが完結しないというところだ。プレーヤーは「レイのブログ」の中にある違和感に気付き、Google検索やGoogleマップ、室内空間にあるものなどを駆使して真偽を検証するための情報を集め、ゴールを目指すことになる。小学生にはハードルが高いのでは……と思う方がいるかもしれないが、今井さんによると、確かに中高生や大人向けに設計はされているものの、過去に最も早くクリアできたのは小学生だったという。

各クラスルームアドベンチャーのメンバーが各チームにサポートで付く中、最初のステージから謎に悪戦苦闘な様子の小学生たち。一見嘘っぽい情報が正しかったり、今流行りの生成AI絡みの極めて巧妙な嘘があったりと、騙し連続のゲームに自然と引き込まれていく。
すると、チームのテーブルを離れて、室内の書棚に走る集団が。どうやら謎を解く情報を得るために“ある本”が必要になったようだ。

一方で、謎解きに熱が上がっているのは子どもたちだけではない。周りにいる保護者たちもスマホ片手にゲームに必死。この手のイベントの場合、保護者は我が子を見守るのが基本的な過ごし方だが、保護者も子どもたちと同じ体験が楽しめ、保護者チームも子どもと競い合うところも画期的に感じた。これについて今井さんは「保護者の方にも一緒の目線でゲームに取り組んでもらい、普段、子どもたちがネットとどのように付き合っているかを分かってもらいたい」と狙いを語る。

中盤までは人数の数に勝る保護者チームがトップを走り、その後を各チームが追う情勢に。がんばれ、キッズたち!
今井さんが説く、フェイクニュースの恐怖
そして全チームが無事ゴールに辿り着けた後、プログラムの後半では今井さんから情報との付き合い方に関する講座があった。

世界経済フォーラム(ダボス会議)でネット上のフェイクニュース拡散が目下の脅威として議題に上がっていることを引き合いに、嘘情報を信じてしまうことの危険性について語り、この日『レイのブログ』で取り組んだ「疑い、調べ、判断する」ことの重要性を説いた今井さん。
加えて、災害時等にSNSで拡散されるデマのように、人から人に伝わることで少しずつ形を変える情報伝達の危うさも説く。
また、テレビのニュース映像のように見せかけて、実はまったく嘘の映像を使っているフェイクニュースの実例も紹介し、「普段使っているネットの中にも意外と嘘が多いので気をつけてください」と呼びかけ。ゲームの集中から開放された子どもたちからは「本当じゃないの!?」「怖~い」といった素直な反響があり、最後は今井さんが「全部の情報を疑うことはしなくてもいいけど、嘘を付くことは意外と簡単だから、騙されないように気をつけなきゃいけない。ちょっと怪しいものを見つけたら自分で調べてみるなど、自分なりの情報との向き合い方を考えてくれたら嬉しいです」と話して全体を締めた。

さて、 ここまで読んでいただいた方はぜひ本記事の最初に戻ってみてほしい。私が初めの文章の中で、日本科学未来館の所在地を「東京・青梅」と間違って紹介していることに気付いただろうか。正しくは「東京・青海」が本当に所在地だ。この日の企画に便乗して記事にもフェイクを交えてみたが、このように読者の方をミスリードしないよう、我々記者も改めて戒めを感じさせられる機会だった。
