「太ももの掻いたところが内出血」が特徴的な”5つの病気”はご存じですか?医師が解説!

「太ももの掻いたところが内出血」が特徴的な”5つの病気”はご存じですか?医師が解説!

太ももの内出血から考えられる特徴的な病気について、メディカルドック監修医が解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「太ももの掻いたところが内出血」する原因とは?考えられる病気も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

鎌田 百合

監修医師:
鎌田 百合(医師)

千葉大学医学部卒業。血液内科を専門とし、貧血から血液悪性腫瘍まで幅広く診療。大学病院をはじめとした県内数多くの病院で多数の研修を積んだ経験を活かし、現在は医療法人鎗田病院に勤務。プライマリケアに注力し、内科・血液内科医として地域に根ざした医療を行っている。血液内科専門医、内科認定医。

「太ももの掻いたところが内出血」の特徴的な病気・疾患

ここではメディカルドック監修医が、「太ももの掻いたところが内出血」に関する症状が特徴の病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

特発性血小板減少性紫斑病

傷口をふさいで出血を止める血小板の数が少ない場合、内出血が起こりやすくなります。特発性血小板減少性紫斑病は、免疫の異常によって、自己免疫が自身の健常な血小板を攻撃する病気です。血小板が破壊され、血小板数が減少します。そのため、太ももを掻くなど、ちょっとした刺激で出血が起こりやすくなります。特発性血小板減少性紫斑病には急性型と慢性型があります。急性型は小児に多く、数ヶ月で治癒しますが、慢性型は症状が6ヶ月以上持続します。
症状が軽度の場合は出血が起こらない場合もありますが、血小板の低下が進行した場合は治療で血小板数を増やす必要があります。

老人性紫斑

老人性紫斑とは、加齢によって血管や周囲の組織がもろくなり、出血が起こりやすくなる状態です。掻くなどのちょっとした外力で容易に内出血が出現します。加齢現象の一つである、ある意味生理的な状態ともいえます。手の甲や前腕に起こりやすいですが、太ももなど全身あらゆる場所に発生します。老人性紫斑は繰り返すことはありますが重篤な症状を起こすことはありません。しかし、内出血が老人性紫斑によるものかほかの疾患によるものか、他の病気が潜んでいないか調べることが大切です。

血友病

血友病は、凝固因子の働きが十分でないために、出血が止まりにくくなる病気です。凝固因子は第Ⅰ~ⅩⅢの12種類(第Ⅵ因子は欠番)があり、順々に連鎖反応を起こして血小板の結合を強固にし、出血を止めます。そのため、凝固因子が不足していると血が止まりにくくなります。

血友病には、以下の2種類があります。

血友病A:第Ⅷ因子の不足、または働きが弱い

血友病B:第Ⅸ因子の不足、または働きが弱い

血友病AとBで症状に違いはありません。
血友病は、ぶつけていないのにあざができやすく、太ももを掻くなどの刺激で内出血ができることがあります。また、関節内出血を起こしやすいことが特徴で、関節内出血を繰り返すと拘縮を起こして関節の動きが悪くなることがあります。血友病を疑った場合、凝固因子の活性値を測定し、どの凝固因子が低下しているかを調べます。出血リスクが高い場合は、凝固因子を注射で補充します。

肝機能障害

凝固因子の一部は肝臓で生成されます。このため、肝炎、肝硬変など、肝臓の機能が著しく低下すると凝固因子が作られなくなり、出血しやすく、血が止まりにくくなります。ただし、凝固因子が作られなくなるほどの肝機能障害は重症である場合が多く、腹水、横断、意識障害などの肝機能悪化によるほかの症状を起こしている場合が多いでしょう。

抗凝固薬の使用

抗凝固薬は、凝固因子の働きを阻害し、血液の凝固を防ぐ役割があります。そのため、抗凝固薬を使用すると出血しやすく、血が止まりにくくなります。抗凝固薬は、静脈血栓塞栓症、心房細動、肺塞栓症などの治療や予防に使用されます。抗凝固薬には、ワルファリン、ヘパリン、低分子ヘパリン、ダビガトラン、リバーロキサバン、アピキサバン、エドキサバンなどがあります。これらの薬を使用すると、太ももを掻いただけで内出血する場合があります。
薬を内服している場合は、薬を処方してもらっている病院を受診し相談するようにしましょう。

「太ももの掻いたところが内出血」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「太ももの掻いたところが内出血」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

太ももの掻いたところが内出血しているのですが、放置していても問題ないでしょうか?

鎌田 百合(医師)

強く太ももを掻いた場合は、内出血を起こすことは珍しくありません。小さな内出血なら放置しても自然に小さくなるでしょう。しかし内出血が大きい場合や、強く掻いていないのに内出血ができたなど、異常を感じた場合は放置せずに内科を受診するようにしてください。

ぶつけていないのに太ももが内出血する原因について教えてください。

鎌田 百合(医師)

ぶつけていないのに太ももに内出血を起こした場合は、血小板の数が少ない、凝固因子が少ないなどの異常があるかもしれません。この記事で紹介したような病気が隠れていることもあるため、病院を受診するのが良いでしょう。

配信元: Medical DOC

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