親や家族に介護が必要になったとき、何から始めればよいのか、誰に相談すればよいのかわからず不安を感じる方も多いのではないでしょうか。介護の悩みは一人で抱え込まず、適切な窓口に相談するのが解決への第一歩です。
本記事では介護の相談窓口について以下の点を中心に紹介します。
介護の相談窓口の種類とそれぞれの役割
相談内容に応じた窓口の選び方
相談から介護保険サービス利用までの流れ
介護の相談窓口について理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

監修医師:
高山 哲朗(かなまち慈優クリニック)
理事長 高山 哲朗
平成14年慶應義塾大学卒業
慶應義塾大学病院、北里研究所病院、埼玉社会保険病院等を経て、
平成29年 かなまち慈優クリニック院長
【所属協会・資格】
医学博士
日本内科学会総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本医師会認定産業医
東海大学医学部客員准教授
予測医学研究所所長
介護の相談窓口の種類

介護が必要になったらまずどこに相談すればよいですか?
介護が必要になったら、まずお住まいの地域の地域包括支援センターに相談するのがおすすめです。地域包括支援センターは、高齢の方の介護や健康、生活全般に関する総合相談窓口として市町村が設置している公的な機関です。
どこに相談してよいかわからない段階でも対応してもらえ、必要に応じて医療機関や介護サービス、行政の窓口などにつないでくれます。場所がわからない場合は、市区町村の介護保険担当窓口に問い合わせると、担当地域のセンターを教えてもらえます。
地域包括支援センターとはどのような窓口ですか?
地域包括支援センターは、高齢の方が住み慣れた地域で暮らし続けられるよう支援する、地域の中核的な相談機関です。保健師(または地域ケアの経験がある看護師)、社会福祉士、主任ケアマネジャーの3つの専門職が配置され、介護予防や生活支援、権利擁護など幅広い相談に対応します。
2025年4月末時点で全国に5,487ヶ所、支所を含めると7,374ヶ所が設置されており、高齢の方本人だけでなく家族からの相談も受け付けています。
参照:『地域包括支援センターについて』(厚生労働省)/『地域包括支援センター』(健康長寿ネット)
ケアマネジャーにはどのような相談ができますか?
ケアマネジャー(介護支援専門員)は、介護を必要とする方が適切なサービスを利用できるよう支援する専門職です。要介護認定を受けた後のケアプラン(介護サービス計画)の作成や、サービス事業者との連絡調整、利用開始後の見直しなどを担います。
具体的には、どの介護サービスをどのくらい使えばよいか、費用の負担はどの程度かといった相談ができます。担当のケアマネジャーは、要介護1〜5の方は居宅介護支援事業所、要支援1〜2の方は地域包括支援センターを通じて決まります。
介護の相談に費用はかかりますか?
地域包括支援センターや市区町村の窓口、社会福祉協議会などの公的な相談窓口は、基本的に無料で相談できます。ケアマネジャーによるケアプランの作成費用も介護保険からまかなわれるため、利用者の自己負担はありません。
相談だけでも問題なく、介護保険を使うか決めていない、制度の仕組みを知りたいといった段階でも気軽に利用できます。まずは身近な窓口に問い合わせ、状況を整理してから始めるとよいでしょう。
【相談内容別】介護相談の窓口

介護サービスについて相談したい場合はどこに相談すればよいですか?
先述したように、介護サービスの内容や利用方法について相談したい場合は、地域包括支援センターやケアマネジャーが窓口になります。
要介護認定を受ける前であれば地域包括支援センター、認定を受けた後であれば担当のケアマネジャーに相談するとスムーズです。訪問介護やデイサービス、ショートステイなど、どのサービスが本人の状態に合うかを一緒に検討してもらえます。
サービスの種類や使い方で迷ったときは、一人で抱え込まずに専門職へ相談するのが大切です。
介護施設について相談したい場合の相談窓口を教えてください
介護施設への入居を検討している場合も、まずは地域包括支援センターやケアマネジャーに相談するのがおすすめです。特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老健)、有料老人ホーム、グループホームなど、施設にはさまざまな種類があり、必要な介護度や費用も異なります。
専門職に相談することで、本人の状態や希望、予算に合った施設の種類を整理できます。特別養護老人ホームへの入居申し込みは、各施設や市区町村の窓口で受け付けています。
介護費用や介護保険制度について相談できる窓口はありますか?
介護費用や介護保険制度について相談したい場合は、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口が中心的な相談先です。保険料の仕組みや自己負担の割合、高額介護サービス費などの負担軽減制度について確認できます。
あわせて地域包括支援センターでも、制度全般の説明や手続きの案内を受けられます。経済的な不安が大きい場合は、社会福祉協議会で生活全般の相談や、生活福祉資金の貸付制度などについて相談することもできます。社会福祉協議会は民間組織のため、行政の制度だけでは行き届かない対応や、地域固有の問題への取り組みを担っています。
参照:『相談窓口』(全国社会福祉協議会)
退院後の介護に不安がある場合はどこに相談すればよいですか?
入院中で退院後の介護に不安がある場合は、入院先の病院にある地域連携室や医療相談室の医療ソーシャルワーカー(MSW)に相談できます。
医療ソーシャルワーカーは、退院後の生活や介護サービスの調整、転院や施設入所の相談に応じる専門職です。退院前から地域包括支援センターやケアマネジャーと連携し、自宅での介護体制を整える手助けをしてくれます。早めに相談しておくと、退院後の生活への移行がスムーズになります。
認知症が心配なときはどこに相談すればよいですか?
認知症が心配なときも、まずは地域包括支援センターに相談できます。相談内容に応じて、認知症に詳しい認知症疾患医療センターや、市町村に設置された認知症初期集中支援チームなどの専門機関と連携して支援を受けられます。
認知症疾患医療センターは、都道府県や政令指定都市が指定する専門の医療機関で、診断や医療相談に対応しています。
このほか、認知症の人と家族の会による電話相談など、家族の悩みを聞いてもらえる窓口もあります。

