池袋ポケセン刺殺、死亡した男をなぜ「書類送検」? 処罰できない事件を捜査する意味 弁護士が解説

池袋ポケセン刺殺、死亡した男をなぜ「書類送検」? 処罰できない事件を捜査する意味 弁護士が解説

●検察官が処分を決め、記録が残る

今回の容疑には、殺人だけでなくストーカー規制法違反も含まれています。禁止命令が出ていたのに事件を防げなかった経過も、捜査の対象です。

検察官は、送られた記録を読むだけの立場ではありません。

必要と認めれば自ら捜査できますし(刑訴法191条1項)、警察の捜査に足りないところがあれば補ったうえで、処分を決めます。

被疑者が死亡していても、この手続を経ることで、事件の全容が公的な記録として確定し、保存されることになります。

なお、警察には、ストーカー事案で重大な結果が生じた場合に、相談への対応が適切だったかを内部で検証する仕組みがあります。

これは警察内部の取り組みで、送検によって動くものではありませんが、こうした検証や再発防止の議論に確かな裏付けを与えるのは、きちんと尽くされた捜査と、そこで固められた事実です。

すでに死亡している人を送検することは、決して無意味な手続ではありません。事件がなぜ起き、なぜ防げなかったのかを後から検証できるように、その出発点となる記録を残すということは重要だと思います。

小倉匡洋(弁護士ドットコムニュース編集部記者・弁護士)

※8月3日13時10分 誤字を訂正しました。

提供元

プロフィール画像

弁護士ドットコム

「専門家を、もっと身近に」を掲げる弁護士ドットコムのニュースメディア。時事的な問題の報道のほか、男女トラブル、離婚、仕事、暮らしのトラブルについてわかりやすい弁護士による解説を掲載しています。