『食べるのが下手な猫』が抱えている原因
1. 口や顔のつくりが食べ方に影響している
猫がフードを食べこぼす理由として、まず考えられるのが体のつくりです。鼻が短い短頭種や、ひげが長く敏感な猫は、一般的な食器では食べにくさを感じることがあります。
猫は人のように器用に食べ物を口へ運べません。舌を巧みに使って粒をすくい上げ、歯で噛みながら飲み込むため、少しでも食器が深すぎたり縁が高かったりすると、フードが外へ飛びやすくなるのです。
毎回少し食べこぼす程度で元気や食欲に問題がなければ、個性のひとつである場合も少なくありません。
2. 年齢や歯・口のトラブルが隠れている
以前は上手に食べていた猫が急に食べこぼすようになった場合は、加齢や口の中の異変を疑ってみましょう。
シニア猫は筋力が衰え、舌やあごを動かす力が若い頃より弱くなります。そのため、フードをうまく口に入れられず、途中で落としてしまうことがあります。
さらに歯周病や口内炎、折れた歯などで痛みがあると、食べ物を片側だけで噛んだり、途中で口から落としたりするケースも珍しくありません。「食べたい気持ちはあるのに、思うように食べられない」という状態です。
食べこぼしに加えて、よだれが増えた、口臭が強くなった、硬いフードを嫌がるといった変化が見られるなら、動物病院で口腔内をチェックしてもらうことをおすすめします。
3. 食べる環境やフードが合っていない
猫は意外なほど環境の影響を受けながら食事をしています。そのため、食べにくい環境が原因でフードをこぼしてしまうこともあります。
たとえば、器が滑って動いてしまう、食事中に人やほかの猫が近づく、フードの粒が大きすぎるなどは、食べるリズムを乱す原因になります。焦って食べれば食べるほど、口から粒が転がり落ちやすくなるでしょう。
落ち着いて食事ができる静かな場所を用意し、猫の口の大きさに合ったフードを選ぶだけで、食べこぼしが減るケースも少なくありません。
「食べ方が雑だから」と決めつけるのではなく、猫にとって食べやすい環境かどうかを一度見直してみることが大切です。
食べこぼしを減らすために飼い主ができる改善策
食べこぼしを完全になくすことは難しくても、工夫次第で改善できる可能性があります。まず試したいのが食器選びです。浅くて広いお皿や、少し高さのある食器は首への負担が少なく、フードも口へ運びやすくなります。器の下に滑り止めマットを敷くのも効果的です。
フードが大きすぎる場合は小粒タイプへ変更したり、ドライフードを少量ずつ入れて食べやすくしたりする方法もおすすめです。シニア猫なら、水やぬるま湯で少しふやかして食べやすくするのもよいでしょう。
一方で、「急に食べこぼすようになった」「食欲が落ちた」「体重が減ってきた」などの変化がある場合は、単なる食べ方の癖ではなく病気のサインである可能性もあります。改善を試しても変化が見られないときは、早めに獣医師へ相談すると安心です。

