大人の熱中症の回復についてよくある質問

市販薬で症状はやわらぎますか?
熱中症による頭痛や高体温に対しては、市販の解熱鎮痛薬の使用は控えてください。アセトアミノフェンやNSAIDsなどは熱を下げる薬ですが、熱中症の高体温に対する効果は期待できません。脱水状態で使うと肝臓や腎臓への負担、凝固障害の悪化につながるおそれがあります。基本は薬ではなく、涼しい場所で身体を冷やすことと水分・塩分補給、休息です。
受診したほうがよいのはどのようなときですか?
自分で水分を摂れない、吐き気や嘔吐がある、強い頭痛や全身のだるさが続くといったⅡ度・中等症のサインがある場合は、すぐに病院を受診してください。この状態においては、経口での水分補給だけでは回復が追いつかず、点滴などが必要になることがあります。呼びかけへの反応がおかしい、意識がもうろうとしている、全身がけいれんしている、自力で歩けない場合は、命に関わるサインです。ためらわずに救急車を要請し、到着まで涼しい場所で衣服をゆるめ、首の付け根やわきの下、太ももの付け根を氷や保冷剤で冷やし続けてください。
仕事を休む目安はどのくらいですか?
仕事を休む日数は症状の重さによりますが、めまいや立ちくらみなどの軽症であっても、発症した当日と翌日は休むことがすすめられます。1日休んで少し楽になっても、体内の水分不足や自律神経の疲労は残っていることがあります。無理に出社すると症状がぶり返すおそれがあります。中等症以上で点滴を受けた場合や、症状が数日続く場合は、医師の指示に従い、体調と食欲が戻るまで休養してください。復帰時も、可能な範囲で業務量を調整しましょう。
回復後に運動を再開するときの注意はありますか?
運動を再開するときは、涼しい環境でごく軽い負荷から始め、数日から数週間かけて少しずつ身体を暑さと運動に慣らす暑熱順化を意識してください。熱中症の後は、暑さに対応する力が一時的に低下している可能性があります。症状が完全になくなってから、室内でのストレッチや涼しい時間帯のウォーキングなどから始めましょう。
編集部まとめ

大人の熱中症の回復期間は、発症時の重症度や応急処置の早さによって変わります。軽症であれば数時間から1日程度で回復することがありますが、中等症以上は数日から数週間かかることもあります。身体の表面の熱が下がっても、体内の脱水状態や自律神経の乱れ、臓器の疲労が残り、だるさや食欲不振が続く場合があります。
仕事や運動への復帰は、すべての症状が消え、普段どおりの体調と食欲に戻ってからにしてください。熱中症による頭痛や熱に対して、市販の解熱鎮痛薬を使うことは避けましょう。自力で水分を飲めない、吐き気がある、強い頭痛が続く場合は速やかに病院を受診し、意識がおかしい場合は迷わず救急車を呼んでください。回復後も睡眠や食事、水分・塩分補給、エアコンの使用、日差しを避ける工夫を続け、少しずつ暑さに身体を慣らして再発を防ぎましょう。
参考文献
『熱中症環境保健マニュアル2022』(環境省)
『熱中症診療ガイドライン2024』(日本救急医学会)
『日常生活における熱中症予防指針Ver.4』(日本生気象学会)
- 「夏バテ」は「血液検査」で分かるかご存じですか?隠れた病気の見分け方も医師が解説!
──────────── - 水を飲むと「血液や自律神経」にどう影響するか?効果を管理栄養士が解説!
──────────── - 「脱水症状」の初期サインとなる症状はご存知ですか?対処法も解説!【医師監修】
────────────

