中村倫也固有の「風情」
たとえば、『ハヤブサ消防団』での太郎役は、民家の縁側に佇み、外気と素肌で触れ合うかのような中村の演技が素晴らしかった。あるいは、クールだがお茶目な新郎役を演じた出演映画『ウェディング・ハイ』(2022年)にも、見逃せない場面があった。中村演じる新郎・石川彰人が、ベランダで冷たい飲み物を片手に「ベストポジション」と(モノローグで)呟く。さらに室内を見渡して「いいねぇ」と独り言を発するとき、夜の外気を身にまとう中村から、尋常ではない色気が静かにだだ漏れていた。
藁の寝床の中から登場した藤次を見た視聴者たちもまたSNS上で、中村が発する色気について指摘している。彼の色気成分はおそらく、外気とうまく溶け合うのだろう。外気に接する「ベストポジション」を得た中村倫也は、彼固有の「風情」を醸すのだ。
<文/加賀谷健>
【加賀谷健】
イケメン研究家 / (株)KKミュージック取締役
“イケメン研究家”として大学時代からイケメン俳優に関するコラムを多くの媒体で執筆。アーティストマネジメント、ダイナマイトボートレース等のCM作品やコンサートでのクラシック音楽監修、大手ディベロッパーの映像キャスティング・演出、アジア映画宣伝プロデュースを手掛ける。他に、LDHアーティストのオフィシャルレポート担当や特典映像の聞き手など。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。
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