CK値が高い場合、どのような原因や症状が考えられるのでしょうか。医師が詳しく解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「血液検査のCK値」の”異常値で現れる症状”はご存じですか?基準値や原因も医師が解説』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
伊藤 規絵(医師)
旭川医科大学医学部卒業。その後、札幌医科大学附属病院、市立室蘭総合病院、市立釧路総合病院、市立芦別病院などで研鑽を積む。2007年札幌医科大学大学院医学研究科卒業。現在は札幌西円山病院神経内科総合医療センターに勤務。2023年Medica出版社から「ねころんで読める歩行障害」を上梓。2024年4月から、FMラジオ番組で「ドクター伊藤の健康百彩」のパーソナリティーを務める。またYou tube番組でも脳神経内科や医療・介護に関してわかりやすい発信を行っている。診療科目は神経内科(脳神経内科)、老年内科、皮膚科、一般内科。医学博士。日本神経学会認定専門医・指導医、日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医、日本老年医学会専門医・指導医・評議員、国際頭痛学会(Headache master)、A型ボツリヌス毒素製剤ユーザ、北海道難病指定医、身体障害者福祉法指定医。
血液検査の項目のひとつ、CKとは?
CK(クレアチンキナーゼ)は、主に筋肉(骨格筋)や心臓、脳に多く含まれる酵素で、これらの組織が傷つくと血液中で値が高くなるため、筋肉や心臓、脳などのダメージを調べる指標として用いられます。心臓の筋肉に問題がある場合、特にCK-MBアイソザイム(分画)が上昇し、骨格筋はCK-MMが上昇します。脳の障害はCK-BBが上昇しうるとされますが、通常の臨床で行う血液検査では明確な上昇として捉えられないことが少なくないです。
CK(クレアチンキナーゼ・CPK)とは血液中のどんな酵素?
CK(クレアチンキナーゼ・CPK)は、クレアチンリン酸とADPからクレアチンとエネルギー(ATP)を生成する酵素です。骨格筋や心筋、脳などに多く存在します。
血液検査のCK(クレアチンキナーゼ)でわかること
CK(クレアチンキナーゼ)の血液検査では、主に心筋梗塞や多発筋炎、筋ジストロフィーなどの筋肉の障害、激しい運動による筋損傷などの有無や程度がわかります。筋肉や心臓のトラブルの早期発見に役立ちます。
血液検査のCK値が高い人に多い原因とは?
激しい運動や筋肉痛、打撲、注射など一時的な原因から、心筋梗塞や横紋筋融解症などの重大な病気まで、さまざまな背景が隠れている可能性があります。
血液検査のCK値が高くなる原因は?
筋肉や心臓、脳などの細胞がダメージを受けることです。激しい運動や長時間の歩行、転倒・打撲、筋肉注射、けいれん発作、外科手術の後などでも一時的に上昇しやすいです。一方で、心筋梗塞や心筋炎、横紋筋融解症、筋ジストロフィーなどの筋疾患、甲状腺機能低下症、薬剤(スタチンなど)による筋障害が原因となることもあります。そのため、数値の高さや症状、ほかの検査結果を組み合わせて原因を判断していきます。
血液検査のCK値が高くなると現れる症状は?
CK値が高くなると、その原因となる臓器や病気によって現れる症状が違います。胸の痛みや息切れがあれば心筋梗塞や心筋炎、強い筋肉痛・筋力低下・手足の脱力、褐色の尿などがあれば横紋筋融解症や重い筋疾患が疑われます。一方、激しい運動や筋肉痛が原因の一時的な上昇では、運動後の筋肉痛やだるさ以外に強い症状が出ないことも多いです。CK値そのものが症状を生むというよりも、筋肉や心臓・脳がどの程度傷んでいるかを示す指標として考えます。
血液検査のCK値が300U/L以上の場合どのような状態?
CK値が300U/L以上になると、基準値を軽く超えた軽度〜中等度の上昇と考えます。激しい運動や筋肉痛、打撲、筋肉注射など一時的な原因でもこの程度まで上がることも少なくありません。しかし、心筋梗塞や筋炎、薬剤性筋障害などの病気が隠れている場合もあるため、症状やほかの検査と合わせて医師が原因を詳しく評価します。
血液検査のCK値が1000U/L以上の場合どのような状態?
CK値が1,000U/L以上になると、基準値の数倍を超える著明な高値と考えられます。横紋筋融解症や重い筋炎、筋ジストロフィー、急性心筋梗塞、薬剤性の重度筋障害など、強い筋損傷を伴う病態の可能性が高いです。筋肉痛や脱力、褐色尿、強い倦怠感などの症状を伴う場合は腎不全など命に関わる合併症を起こすおそれがあるため、早急な受診と精査・治療が必要です。

