包丁も調味料もほとんど使わず、パパッとできるのが豚キムチ。だからこそ、ひと手間加えると、メチャクチャにおいしくなる。そんな方法を紹介します。

定義
僕がレシピ開発をする際、必ず最初にしていることがあります。
それは、テーマになる料理の「おいしいの定義付け」です。
今回のテーマ「豚キムチ」の「おいしい」を定義します。
①肉が香ばしい
②肉が柔らかくジューシー
③肉とキムチがよく絡んでいる
④キムチが適度にシャキシャキしている
おそらく、多くの方に納得いただける定義かと思います。
①②は、肉の焼き方で
③は、調味で
④キムチの火入れで
解決できそう。
ここまで明確になったら、次は調理の最適解に落とし込みます。
最適解への落とし込み
調理工程に落とし込む際に大切にしているのは、各工程の「部分最適」ではなく、料理として完成した時においしく仕上がるための「全体最適」の考え方です。
多くの人が再現可能な「良い塩梅」を踏まえて、おいしさの肝になる3つのコツをご紹介します。
結論:肉の片面の一部だけを香ばしく焼く (①②の最適解)
肉をパックから取り出したら、1枚1枚はがさず、そのまま4〜5cm幅に切ります。肉がくっついたままの状態で鍋に入れ、強火で片面だけに焼き色をつけます。焼き色がついたら、脂を拭き取り、くっついた肉をはがしながら色が変わるまで炒める。こうすることで、肉の一部にはカリッと香ばしい焼き色がつきつつも、逆に柔らかい部分も作れるというわけ。
これは僕が開発した肉の焼き方(炒め方)で、香ばしさと柔らかさを両立する、ありとあらゆる炒め物に応用できる方法です。
結論:肉にコチュジャンを絡めながら、真っ赤になるまで炒める (③の最適解)
豚キムチのよくある課題の一つに、肉とキムチに一体感が出ないことがあります。これは、肉にコチュジャンを絡めることで解決します。コチュジャンの甘辛さ、粘りのある物性が、肉とキムチをしっかり繋ぎ止め、一体感ある仕上がりになるんです。
◆キムチはさっと炒める結論:仕上げに30秒程度だけ炒める (④の最適解)
肉を真っ赤になるまで炒めたら、いよいよ仕上げにキムチを加えます。この時点で、鍋全体にコチュジャンがまわっているので、肉とキムチが絡みやすい状態。だから、最小限の炒め時間で済むんです。しかも、キムチの炒め時間を短くできることで、食感を残すこともできるわけです。
前段の、肉にコチュジャンを絡めておくことが、後の工程にも功を奏す。シンプルながら、計算された工程になっているということです。

