寝込んだ朝に筆者の夫が放ったひと言で、普段は気付かれない小さな家事の存在を改めて考える出来事があり──。
脱ぎっぱなし
夫は仕事から帰ると、玄関で靴を脱いだまま家へ上がるのが当たり前でした。
左右の向きもそろっておらず、少し斜めに置かれたままの日もあります。
「また靴がそのまま……」
心の中でそう思いながら、私は気付いた時にそっと向きを直し、毎日履きやすい向きに並べていました。
翌朝になると、夫は何も言わずにその靴を履いて出勤していました。
寝込んだ日
ところがある日、私は体調を崩してしまいました。
夕方から熱が上がり、その日は夕食を済ませた後も起き上がることができません。
玄関の靴も、そのまま手を付けられずに寝室へ入りました。
翌朝も布団の中で休んでいると、玄関から夫の声が聞こえてきたのです。
「誰が俺の靴蹴ったん?」
一瞬驚きましたが、その言葉を聞いてすぐ理由が分かりました。
普段は玄関の方へ向けて並んでいる靴が、その日はバラバラの向きで残っていたのです。

