娘が生まれて初めて夫の実家を訪ねたときのことです。義父が娘の顔をのぞき込み、思わず発した言葉は、「このヤロー」でした。
孫にまさかの暴言!?
その瞬間、私は耳を疑いました。まだ赤ちゃんの、私にとっては何よりも愛おしい娘に対して、「このヤロー」だなんて……。驚きと戸惑い、そして少しの怒りが胸に広がったのを覚えています。
意味が違う?
けれど、時がたち、義実家でのやりとりに慣れてくるにつれて、次第に気付いたのです。義父の「このヤロー」には、私が知っているような攻撃的な意味合いはまったくないのだと。むしろ、強い愛情や親しみを込めた言い方であることがわかってきました。
義実家は東北地方の農村地帯にあり、夫の家族は代々農業を営んでいます。一方、私は首都圏出身で、父は芸術の道に生きてきた人でした。育った環境も文化も、まるで違うのです。

