という一文で始まる漫画『離婚しても終わらない 共同親権がはじまる日』(とーやあきこ著、KADOKAWA、2026年7月)。
今までは、離婚して子供がいる場合、親権は母親か父親、どちらかが持つという単独親権でした。これが民法改正により、単独親権のほか、父母双方を親権者と定められる共同親権も選べることになったのです。
離婚しても両親が子どもの教育に責任を持つというメリットはありますが、嫌で別れた配偶者と関係を切れないことは、人によっては深刻な事態。という難しい問題に焦点を当てたのが、この実録漫画です。作者のとーやあきこさんは、自身の経験を元に、母子の間で起こる葛藤を描く漫画に定評があります。監修は、柳原由以先生(アリエ法律事務所)です。

顔も見たくない夫、でも縁が切れない
今作の主人公、澤井薫は正論をふりかざしてダメ出しばかりをする夫に疲れ果て、幼い娘のゆりかを連れて離婚することを決意。しかし夫が突然、「共同親権を持ちたい。僕も娘の親だ」と言い出したのです。一刻も早く夫と縁を切りたい薫にとって、人生が暗黒に包まれた瞬間でした。法律では、DVや虐待の恐れがある場合は、裁判所が「単独親権」と定めることになっていますが、DVの証拠が必要だったり双方の主張が食い違ったりで、トラブルも起こりえます。
主人公・薫の夫は、すべて正論で押し通すタイプです。ゆりかが生まれたばかりの頃、体調不良だった薫がミルクを作ってくれるよう夫に頼んでも、「すぐに作ってほしいとは言わなかったよね? 希望があるなら言葉に出さなきゃ伝わらないってことくらい、君にはわからないのかな?」。一事が万事、この調子です。
「夫が嫌い」だけでは難しい?
共同親権を持ったら、夫に縛りつけられたままになる――と危機感を覚えた薫は、弁護士に相談に行くのですが、〈不倫やDVもない。ギャンブルもない。借金もない。さらに身体的暴力もない〉(〈 〉は同書からの引用、以下同)という夫の、共同親権希望を阻止するのは難しいという答え。
薫の離婚事由は夫への生理的嫌悪感です。夫と話をするのも嫌だという、薫のいわば“感情論”では法的に闘うのが難しいというのです。
〈共同親権とは「子どもの利益」になるという考えのもとに作られた法律〉だとわかってはいても、薫は思い悩みます。













