スポーツ選手の守護聖人も祝福する秋ドラマ
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2026年4月期ドラマ『サバ缶、宇宙へ行く』第6話では、「銀河一」のサバ缶を宇宙まで飛ばす夢に蓋をして、非行に走ろうとする高校生役を演じた。海辺のロケーションで、固定カメラがひたすら横移動し、手持ちカメラはなるべく寄ろうとする。そうやって画面上に浮かび上がる荒木飛羽、20歳の演技が視聴者の胸を打った。
20歳だが、10年以上もの俳優歴がある。好きな映画の趣味もクラシカルでいい。荒木は、『恋する惑星』(1994年)や『天使の涙』(1995年)など、香港映画に革命的ニューウェーブをもたらした巨匠ウォン・カーウァイ監督作を好む。
トニー・レオンやレスリー・チャン、レオン・ライ等々、美男スターがこぞって出演する同監督作もまた、ゆらめくカメラと断片的なのになぜかシームレスなカット割りが、儚くも美しい一瞬を掬い上げる作品群だ。
それらは映画にしか成し得ない極致でありながら、実に文学的な表現でもある。クラシカルな映画好きの荒木なら、文学作品も古典を好むのではいかと(半ばこちらの願望混じりに)想像は膨らむ。
筋金入りの美男賛美者だった三島由紀夫なんてどうか? 三島の代表作『仮面の告白』の主人公は、何より聖セバスティアヌスが描かれた絵画を好んだ。しかもその絵画は、1615年頃にグイド・レーニが描いた作品だった。
三島偏愛のレーニ作『聖セバスティアヌスの殉教』は絵画の枠を超え、広く美少年のアイコンになった。元は軍人のセバスティアヌスは弓矢で射られても平気な肉体を誇り、そこからスポーツ選手の守護聖人とも考えられるようになった。
2026年10月期に放送予定のドラマ『俺たちの箱根駅伝』(日本テレビ系)で、荒木は大学陸上部の選手役を演じる。荒木飛羽の躍動が今から目に浮かぶようだが、この注目の秋ドラマはきっと守護聖人も祝福する作品になるだろう。
<文/加賀谷健>
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【加賀谷健】
イケメン研究家 / (株)KKミュージック取締役
“イケメン研究家”として大学時代からイケメン俳優に関するコラムを多くの媒体で執筆。アーティストマネジメント、ダイナマイトボートレース等のCM作品やコンサートでのクラシック音楽監修、大手ディベロッパーの映像キャスティング・演出、アジア映画宣伝プロデュースを手掛ける。他に、LDHアーティストのオフィシャルレポート担当や特典映像の聞き手など。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。
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