アレルギー検査にはどのような種類があり、それぞれ費用はいくらになるのかを医師が解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「アレルギー検査が保険適用」される”5つの条件”はご存じですか?費用も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
小島 敬史(立川駅前おといろ耳鼻咽喉科)
経歴
2006年3月慶應義塾大学医学部医学科卒
2008年3月佐野厚生総合病院初期臨床研修修了
2008年4月慶應義塾大学耳鼻咽喉科学教室所属
2013年9月慶應義塾大学病院助教として勤務
2018年8月米国ノースウェスタン大学耳鼻咽喉科で遺伝性難聴の基礎研究に従事
2021年5月国立病院機構栃木医療センター耳鼻咽喉科医長
2026年4月立川駅前おといろ耳鼻咽喉科院長(現職)
【資格等】
日本耳鼻咽喉科学会専門医・指導医、日本耳科学会認定医、補聴器相談医、補聴器適合判定医
所属学会:日本耳鼻咽喉科学会、日本耳科学会、日本聴覚医学会
アレルギー検査とは?
アレルギー検査は、体内に入ってきた特定の物質に対して免疫系が過剰に反応し、さまざまな症状を引き起こす原因を特定するための検査です。原因となる物質を特定することで、日常生活でそれらを避ける対策を立てたり、適切な治療法を選択したりすることが可能になります。
アレルギー検査は何科を受診すればいい?
アレルギー検査は、内科、皮膚科、耳鼻咽喉科、小児科、アレルギー科など幅広い診療科で受けることができます。症状の種類によって適した受診先が異なります。たとえば、くしゃみや鼻水が主な症状であれば耳鼻咽喉科、皮膚のかゆみや湿疹であれば皮膚科、咳や呼吸困難であれば内科やアレルギー科が適しています。症状に応じて受診先を選びましょう。
アレルギー検査の流れや結果が出るまでの期間
検査によって結果が出るまでの期間は異なります。血液検査では受診当日に採血し、結果は約1〜2週間後です。より早く結果を知りたい場合には迅速検査もあります。イムノキャップラピッドは指先からの少量採血で約20分、ドロップスクリーンは1滴の血液で約30分で結果が得られ、41項目のアレルゲンを一度に調べることができます。注射が苦手な方や小さなお子さんにも受けやすい検査です。パッチテストは48時間後・72時間後・7日後と複数回判定するため約1週間かかります。
アレルギー検査の種類と費用の目安
アレルギー検査にはいくつかの種類があり、それぞれ調べられる項目数や費用が異なります。なお、以下の費用はいずれも保険適用(3割負担)の場合の検査費用の目安であり、別途初診料・再診料や処方料がかかります。
VIEW39やMAST36の費用
VIEW39は、アレルギーの原因となりやすい39項目のアレルゲンを一度の採血で調べられるセット検査です。花粉(スギ、ヒノキなど)、ダニ、ハウスダスト、動物(ネコ、イヌ)、カビ、食物(卵白、牛乳、小麦、エビ、カニなど)、昆虫(ガ、ゴキブリ)といった幅広いアレルゲンが含まれています。MAST36は36項目のアレルゲンを調べる検査で、VIEW39とは一部異なるアレルゲンが含まれています。いずれも保険適用の対象で、3割負担の場合の費用は約4,500〜5,000円程度です。
特異的IgE(RAST)検査の費用
特異的IgE検査(RAST検査)は、特定のアレルゲンを個別に選んで調べる検査です。費用は項目数によって異なりますが、3割負担の場合、約5,720円程度が目安となります。「症状のある項目だけ調べたい」「特定の食物アレルギーを確認したい」といった場合に適しています。VIEW39では調べられない特殊なアレルゲンを個別に調べたいときにも有用です。
TARC検査の費用
TARC(ターク)検査は、主にアトピー性皮膚炎の炎症の程度を数値で評価するための血液検査です。アレルゲンの特定ではなく、皮膚の炎症がどの程度活発かをリアルタイムに反映する指標として使われます。月に1回まで保険適用で受けることができ、3割負担の場合の検査費用は約600円(判断料を含めると約1,000円程度)です。治療の効果判定やステロイド外用薬の減量タイミングを見極めるのに役立ちます。
パッチテストの費用
パッチテストは、化粧品や金属などによるかぶれ(接触皮膚炎)の原因を調べるための検査です。血液検査では見つけにくい遅延型(IV型)アレルギーの原因物質を直接皮膚に貼り付けて確認します。22項目をまとめて調べられる「パッチテストパネル」が広く使われており、医師が必要と判断した場合は保険適用となります。3割負担の場合、パッチテストパネルの費用は約5,800円、金属アレルギーのみの検査は約1,000円程度です。ただし、最終判定まで複数回の通院が必要で、その間は入浴や激しい運動が制限されます。
120項目や219項目などの多項目アレルギー検査の費用
「120項目」や「219項目」として宣伝されている検査は、「遅延型フードアレルギー検査(血中食物抗原特異的IgG抗体検査)」と呼ばれるIgG抗体を測定する検査です。この検査は保険適用ではなく、すべて自費となります。費用は医療機関によって異なりますが、120項目で約3万〜4万円、219項目で約4万〜5万円程度が相場です。この検査について知っておいていただきたいのは、日本アレルギー学会をはじめ国内外の主要学会が推奨していないという点です。学会の公式見解によれば、IgG抗体は食物アレルギーのない人にも存在し、値はその食品をどれだけ食べたかに比例するだけで、症状との関連は示されていません。検査結果をもとに多くの食品を除去すると、栄養バランスが崩れて健康を害するおそれもあります。アレルギーが心配な方は、保険適用のIgE抗体検査を医療機関で受けてください。

