伊東前市長の卒業証書「金庫に保管」は証拠隠滅か職務か? 刑事告発された弁護士は「暴論」と真っ向反論

伊東前市長の卒業証書「金庫に保管」は証拠隠滅か職務か? 刑事告発された弁護士は「暴論」と真っ向反論

●福島弁護士の回答(全文)

弁護士ドットコムニュースの取材に対し、福島弁護士は8月19日、以下のように回答した。

1 そもそも弁護人は、検察官の捜査に協力する機関ではなく、被告人の防衛権を徹底的に保障するために存在する。重要証拠を捜査機関に差し出さないことは、刑訴法105条に裏付けられた弁護人の正当かつ義務的な職務遂行であり、これを『証拠隠滅罪』と呼ぶことは、憲法が保障する弁護人依頼権や不利益不供述権を根本から否定する暴論である。

2 なお、刑事弁護人による裁判外の行為が、正当な業務行為(刑法第35条)として違法性阻却されるかという論点について、メルクマールを示した丸正名誉毀損事件(昭和51年3月23日第一小法廷決定)によれば、「その行為が法令上の根拠をもつ職務活動であるかどうか、弁護目的の達成との間にどのような関連性をもつか、弁護を受ける被告人自身がこれを行つた場合に刑法上の違法性の阻却を認めるべきどうかの諸点を考慮する」と 判示されたところ、証拠資料を預かり続ける行為は、①法令上の根拠があり、②依頼者の無罪を主張するという弁護目的と直接的な関連性があり、③被告人の防御権を適法に代理・代行しているに過ぎないのであるから、当然に違法性が阻却される。

3 告発者は、元伊東市長の事件について、事案の真相を何一つ知らない。報道されたニュースを元に勝手な思い込みで騒いでいるだけである。元伊東市長の刑事事件は否認事件であり、これまで報道された内容は必ずしも真実ではない。検察官の主張がすべて正しいわけでもない。未確定の曖昧な事実ばかりを前提に、弁護活動の是非を論じること自体がナンセンスである。

4 否認事件において、あくまでも依頼者を信じて戦うことは、刑事弁護人としての矜持であり、最低限の資質である。これを欠く弁護士こそ、早々にバッジを外すべきであろう。

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