【愛知学院大が5年追跡】重度の「歯周炎」と「脳卒中」に関連の可能性 予防のポイントを歯科医が解説

【愛知学院大が5年追跡】重度の「歯周炎」と「脳卒中」に関連の可能性 予防のポイントを歯科医が解説

内容への受け止めは?

編集部

愛知学院大学歯学部口腔衛生学講座の研究員らが発表した内容への受け止めを教えてください。

菱川先生

今回の研究は、一度の歯科健診の結果とその後の医療情報を組み合わせ、高齢者の歯周状態と脳卒中の発症、さらに発症後の医療費や入院期間との関連を示した、公衆衛生の観点から重要な研究だと思います。
一方、この結果を一人ひとりの健康にそのまま当てはめるには注意が必要です。歯周病の評価には歯科健診用の指標が使われており、歯周病の治療を目的とした精密な検査とは異なります。歯周病の重症度や炎症の程度まで細かく評価するものではなく、一定の基準に従ってスクリーニング(ふるい分けの検査)したものです。また、歯周状態を調べたのは健診時の一度だけで、その後の変化や治療については追跡されていません。
研究対象も、歯科健診の対象約3万3000人のうち実際に受診した約15%から、脳卒中の既往(過去に脳卒中にかかったことがあるかどうか)や残っている歯の本数などで絞り込んだ約2000人です。そのため、一般的な75歳、80歳の人にそのまま当てはまるわけではありません。
ですから、「歯周病があるから脳卒中になる」「歯周病を治療すれば脳卒中を予防できる」ということではありません。今回の結果だけを見て、「脳卒中を予防するために歯周病を治療しなければ」とまで考える必要はありません。ただ、今後研究が進めば、歯周病が全身の健康に与える影響がさらに明らかになる可能性もあります。歯周病そのものが自覚症状の少ないまま進行する病気であることを考えると、重度になるまで気付かずにいるのは望ましくありません。まず自分の状態を知り、必要な治療やセルフケアを行っておくことが大切だと思います。

編集部まとめ

今回、歯周病と脳卒中との関連を示す研究結果が発表されました。歯周病と全身の健康との関係については、まだ分かっていないことも多く、現在も研究が続けられています。必要以上に心配するのではなく、まずは自分の口の状態を知り、毎日のセルフケアと必要な歯科治療を続けるきっかけにしてもらえればと思います。

配信元: Medical DOC

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