●個別質問3つで「次の予定がある」
個別質問が3つ終わったところで、司会者が「次の予定があるので、これで会見を終わります」と言い出した。
筆者が慌てて手を挙げると、「もう時間が来ている」として、そのまま打ち切られそうになった。
しかし、この時点ではまだ午前11時半になっていなかった。さらに食い下がると、もう1問だけ認められた。
「これだけ不祥事が相次いでいる中、冒頭あいさつで『良き伝統は守りつつ国民の期待に応えてくれると確信している』と言った根拠を教えてほしい」
筆者がそう尋ねると、畝本氏は次のような説明をした。
「良き伝統と述べたのは、検察が変わらなくて良いということではなく、法と証拠に基づいて判断するという検察の基本的な価値は変わってはいけない、その基本を守りながら検察のあり方を模索していただければという趣旨です」
結局、各社による個別質問は4問で終了した。
●録音禁止の会見、机の棚から「ボイレコ」が落下
事前に細かな注意事項を説明し、撮影を認めるのは冒頭あいさつまで。その後はカメラマンを退室させ、録音も禁止したうえで、着席して質疑に応じる──。
この進め方は、同日午後に開かれた新たな検事総長、川原隆司氏の就任会見でも同じだった。
ただ、その最中、思わぬものが姿を現した。
職員が会場を設営していた際、検事総長が座る長机の裏側にある棚から、ボイスレコーダーが床に落ちたのだ。
職員はすぐに拾い上げ、何事もなかったかのように棚に戻した。どれだけの記者がそれを目撃したかは定かではない。
報道機関には「録音は認めない」と求めている会見で、なぜ検事総長が座る机にボイスレコーダーが入れられていたのか。
会見終了後、最高検の総務部長にその理由を尋ねたが、明確な説明は得られなかった。


