1.1兆円でパリに「ドラゴンボール」テーマパーク建設へ 仏サウジ合意に「なぜ日本じゃない?」再燃

1.1兆円でパリに「ドラゴンボール」テーマパーク建設へ 仏サウジ合意に「なぜ日本じゃない?」再燃

フランスとサウジアラビアの両政府は8月24日、パリ郊外に総投資額約60億ユーロ(約1兆1100億円)を投じ、日本の人気アニメ「ドラゴンボールZ」などをテーマにした大型テーマパーク群を建設することで合意した。サウジアラビアのムハンマド皇太子の訪仏に合わせ、仏大統領府が発表した。ロイター通信によると、サウジの政府系エンターテインメント投資会社「キディヤ・インベストメント・カンパニー(QIC)」が出資し、約2万2000人の雇用を創出する欧州最大級の開発プロジェクトになる見通しだ。マクロン仏大統領とムハンマド皇太子という国家首脳同士の「ドラゴンボール好き」から生まれた異例の構想だが、日本が生んだ世界屈指の知的財産(IP)が海外の巨額資本によって巨大化していく一方で、肝心の日本が投資主体として関与できていない現実に、SNSでも誇らしさ以上に大きな悔しさが募っているようだ。

フランス・サウジ首脳をも動かす「ドラゴンボール」の求心力

マクロン大統領は熱烈なドラゴンボールファンとして知られる。今年3月に訪日した際には高市早苗首相との会談後に主人公・孫悟空らの必殺技「かめはめ波」のポーズを披露したほか、2024年3月に原作者の鳥山明氏が死去した際には日本語で哀悼の意を捧げ、孫悟空と魔人ブウが対峙する色紙の画像をXに投稿して話題を呼んだ。一方、ムハンマド皇太子も日本のアニメやゲームに造詣が深く、国家成長戦略「ビジョン2030」のもとでエンタメ産業の育成と多角化を強烈に推し進めている。マクロン氏は今回の発表を受けて、Xに「ディズニーランド・パリ以来、見たことのない規模」と投稿。DBテーマパークへの期待感の高さを示している。

サウジはすでに自国内のメガプロジェクト「キディヤ」において、50万平方メートルを超える世界初のドラゴンボールテーマパーク計画を発表済みだ。そこには悟空の師匠、亀仙人(武天老師)の家「カメハウス」や悟空の最初の仲間・ブルマの父が経営する「カプセルコーポレーション」、高さ70メートルの「神龍(シェンロン)」を模したローラーコースターなど30以上のアトラクションが盛り込まれている。2024年3月に発表された東映アニメーションも参画するこのサウジの計画に加え、今回はフランスという欧州の大国へも波及した格好だ。海外の首脳が自国の国家戦略や外交のカードとして日本のコンテンツを最大活用している姿は、IPの威力を再認識させられる。

「なぜ日本が主導できないのか」SNSに広がる歯がゆい葛藤

この巨額プロジェクトのニュースが駆け巡ると、SNSでは日本のコンテンツの強さを誇る声と同時に、日本主導でこうした大事業を打ち出せない歯がゆさや悔しさを訴える声が殺到した。Xには、

「政府がやることは、せいぜい海外の著作権無法地帯に対して断固たる措置(笑)をするくらいしかないでしょ ドラゴンボールは政府が売ったわけじゃないんだから」

といった政府へ理解を示すポストが見られる一方、累積赤字や統廃合、予算見送りが報じられた官民ファンド「クールジャパン機構」への不満と対比させる意見が目立っている。

「うーん、フランスで作るのか...」

「なんでドラゴンボールのテーマパーク作るのに日本がノータッチなのか、さすがに意味がわからない」

「ドラゴンボールは、いつから外国のものになったんだ。何がクールジャパン機構だよ。国内がクールになってんじゃあねぇか」

「パリにフランス x サウジアラビア連合が1兆円もかけてドラゴンボールのテーマパーク作ることになってる、愛がすごすぎないか。そして日本は投資しないの?」

これらの声が示しているのは、単なる嫉妬や怒りではない。自国が生み出した最高のIPが世界中で愛されていることを誰もが知っているからこそ、その圧倒的な価値を大規模な体験価値や経済価値として自らスケールさせられない日本の環境に対する、深い「悔しさ」なのだろう。

配信元: iza!

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