「発達障害改善に習い事は効果ある?」に脳科学者・澤口先生が回答

「発達障害改善に習い事は効果ある?」に脳科学者・澤口先生が回答

Q3.娘が中学校受験に向けて勉強が忙しくなり、習い事のピアノをやめさせようか悩んでいます。(43歳/娘11歳)

やめさせるなんて本末転倒です。なぜやめさせるんですか?一番私が言いたいのは、今の受験だけ成功してもなんの意味もないということ。ピアノのレッスンをすることは、地頭を伸ばしているんです。むしろ、受験に勝ちたいなら1週間に1回40分のレッスンをやってください。受験にプラスしたらもっといいんです。受験勉強は勉強のスキルを磨いているだけで、頭はよくなりません。どうか、将来につながることと思ってピアノは続けてください。

ピアノを弾く画像

Q4.娘がピアノを習っているのですが、我が家は電子ピアノです。本物のピアノじゃなくても脳への効果はありますか? (33歳/娘8歳)

これは電子ピアノでの実験結果がないのでまだわかっていません。ただ、研究実験自体が、本物のピアノで週1回40分のレッスンという条件で行って結果を出してますので、週1回先生のところで本物のピアノに触れるだけでも効果はあります。もちろん、自宅練習でも本物のピアノのほうがよりいいとは思いますが、レッスンだけでも十分効果はあると思います。

お話をお聞きした人

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澤口俊之

1982年 北海道大学理学部生物学科卒業/1988年 米国エール大学医学部神経生物学科 ポストドクとして赴任/1991年 京都大学霊長類助手研究所助手/1991年 北海道大学医学研究科教授/2006年 人間性脳科学研究所所長就任/2012年 武蔵野学院大学教授兼任/2013年 同大学院教授兼任専門は神経科学、認知神経科学、霊長類学。理学博士。近年は乳幼児から高齢者の幅広い年齢層の脳の育成を目指す新学問分野「脳育成学」を創設・発展させている。著書に「幼児教育と脳」「わがままな脳」「学力と社会力を伸ばす脳教育」「夢をかなえる脳」「やる気脳を育てる」など多数。最近の著書に「脳を鍛えれば仕事はうまくいく」「モテたい脳、モテない脳」がある。フジテレビ「ホンマでっか!?TV」、NHK「突撃!アッとホーム」等、TV番組にも出演。