「発達障害改善に習い事は効果ある?」に脳科学者・澤口先生が回答

「発達障害改善に習い事は効果ある?」に脳科学者・澤口先生が回答

Q5.ピアノが発達障害の改善に効果的だというのは、本当ですか?(30歳/息子5歳)

遺伝性の強いお子さんに関しては難しいのですが、そうでなければHQ(人間性知能)を高めることで発達障害は改善されますので、ピアノは効果的です。
まずピアノの前に座れるところまでは別系統の訓練でもっていってください。それができるようになったら、発達障害の子を受け入れてくれる個人レッスンのピアノの先生をさがします。あとは、普通にレッスンを受けてください。最初は1本指で弾くだけでいいです。10分でもいいのでレッスンしてください。10分の場合は、2日に1回か3日に1回くらいやったほうが効果的です。最終的にはきちんと両手で弾いて、楽譜を見てっていうところまでもっていってほしいんですけど、当然ながら時間はかかりますし個人差もあります。でもあせる必要はないです。そして、お母さんは先生にお任せしてください。お母さんでは対応しようとしても不可能なんです。どうしても感情的になってしまい、不安感もお子さんに伝わってしまう。不安感というのは脳には一番よくないですし、お母さんもそれのほうが辛くないですからね。

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澤口俊之

1982年 北海道大学理学部生物学科卒業/1988年 米国エール大学医学部神経生物学科 ポストドクとして赴任/1991年 京都大学霊長類助手研究所助手/1991年 北海道大学医学研究科教授/2006年 人間性脳科学研究所所長就任/2012年 武蔵野学院大学教授兼任/2013年 同大学院教授兼任専門は神経科学、認知神経科学、霊長類学。理学博士。近年は乳幼児から高齢者の幅広い年齢層の脳の育成を目指す新学問分野「脳育成学」を創設・発展させている。著書に「幼児教育と脳」「わがままな脳」「学力と社会力を伸ばす脳教育」「夢をかなえる脳」「やる気脳を育てる」など多数。最近の著書に「脳を鍛えれば仕事はうまくいく」「モテたい脳、モテない脳」がある。フジテレビ「ホンマでっか!?TV」、NHK「突撃!アッとホーム」等、TV番組にも出演。