【ファイナンシャルプランナー監修】金銭感覚は●歳までに身につける

【ファイナンシャルプランナー監修】金銭感覚は●歳までに身につける

“お子さんにお金の教育してますか?”と聞かれて“はい”と答えるママはほとんどいないのではないでしょうか?むしろ、“子どものうちからお金なんて…”という声がかえってきそうですね。確かに学校でもお金について学びません。でも、お金は生きて行くうえで誰もが関わりをもち、一生必要不可欠であるのも現実です。多くの大人たちのお金の悩み相談を受けているファイナンシャル・プランナーの竹谷希美子さんは「金銭感覚は大人になってからは磨けません。だから、本来は子どものうちに家庭でしっかり土台をつくっておかないと」と断言します。この言葉に思わずハッとさせられますね。そこで、“子どもの金銭教育の大切さ”について竹谷さんにくわしくお話を伺ってきました。
貯金箱とお金の画像

なぜ、子どもに金銭教育が必要なの?

“お金”というと、まだお金をよく理解してない子どもでも、“たくさん欲しい”とイメージするモノですね。でも、使い方ひとつでお金は自分を幸せにも不幸にもします。それは、“お金を使う人がきちんと理解していないから”だという竹谷さん。

「ファイナンシャル・プランナーという仕事をしていると、いろんなご家庭の家計を見せていただくのですが、皆さんつまづくことが同じだったり、知識が足りないだけで損をしてしまったり、周りに流されて家を買ってしまってキツキツ生活していたり…もうちょっとリテラシーをもって生活していればこんなことには…と思うんです。そんなときに、我が子をみて“子どものうちからお金の教育ってできないかな?”って思ったんです」

2児の母でもある竹谷さんは、それから我が子で金銭教育を実践。その経験をもとに、金銭教育の大切さを多くの人に提唱しています。

「これからの時代は、昔と違ってますます自己責任が問われる世の中になっていきます。昔は物価が上がればお給料も上がっていきました。でも、今は物価や消費税が上がっても手取りは減るばかり。そんな中で、どうやっても我が子の暮らしやすい社会にはならないですよね。そう思ったときに、お金のことや経済や社会のしくみを最低限知っておくことは絶対必要です。さらに、インターネット社会になり、たくさんの溢れる情報の中から自分に必要なものを自己責任で精査し“騙されない”ということも重要になってきます。でも、残念ながらお金のことは学校では教えてもらえません。だからこそ、ご家庭での“おこづかい制”や“お駄賃制”などを通して、お金のありがたみや、稼ぐことの喜びや大変さ、やりくりのむずかしさなどいろんな体験をさせて、子どもの心を育んでほしいというのが、金銭教育なんです」

お札に羽のイラスト

金銭教育は7歳~12歳までがべスト!

では、子どもの金銭教育はいつごろから始めるのがいいのでしょうか?

「7歳~12歳までがベストだと私は考えます。理想はお子さんがお金に興味を持ったときがいいですが、目安としては自立心がめばえる就学のタイミングがいいと思います。我が家の場合は、娘が7歳のときにローンのCMを観て“ローンて何?”と、聞いてきたのがきっかけでした。そして、なぜ12歳までがベストかというと、親の言うことを素直に聞いてくれる思春期前までということです。思春期に突入してしまうと、照れや反抗心などが芽生え、素直に親の言うことも聞いてくれなくなるので、お金の教育も難しくなってしまいます。金銭教育は、早すぎも遅すぎもよくなくて、タイミングが重要です」

お話をうかがった人

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竹谷希美子

ファイナンシャル・プランナー。お金教育専門家。人材育成学会会員。NPOエイプロシス。証券カウンセラー。証券会社、信託銀行システム会社を経て、2005年に独立。2008年、女性と母親の視点からファイナンシャル・プランナーとしての事業を展開するため、SAKU株式会社を設立する。「お金の管理能力や金銭感覚を、大人になってから気づくのは困難」という気づきから、正しい金銭感覚を身に付けた資産を築ける子どもたちの育成に力を注ぐべく、お金の教育活動をスタートさせた。著書に『12歳までにかならず教えたいお金のこと』(かんき出版)、『PTAで大人気のお金教育メソッド 一生役立つお金のしつけ』(メディアファクトリー)、『一生お金に困らない子どもの育てかた』(幻冬舎)がある。