
歯並びや咬み合わせの問題は万病のもと?
よく“歯並びは大切”と言いますが…
「そうですね。歯並びが悪い、咬み合わせが悪いというのは、厳密に言うとそれ自体が病気ではないわけですね。体型で言えば、肥満と例えが似ていて、太っていること自体は病気ではないわけですが、それがいろいろな病気に派生していきますね?それと同じで、歯並びが悪いことで実はさまざまなことに影響が及んでしまうんです」
では、どんな影響が出てしまうのでしょうか?
「歯並びの問題が及ぼす影響としては、汚れが溜まりやすくなることで虫歯や歯周病など歯そのものに影響があるのはもちろんですが、例えば正しい呼吸や発音がしづらくなったり、モノを食べたりするときの咀嚼(そしゃく)、嚥下(えんげ)の効率が悪くなったり、さらに歯並びが悪いことで見た目に自信が持てず心理的に影響が出る場合もあります。これらのことから、歯並びの重要性は明らかと言えますね」
親の歯並びは子どもに遺伝するの?
歯並び問題が起きる原因は、大きく2つあるという坂部先生。
「ひとつは、遺伝ですね。歯並びが遺伝するということではなく、例えば親子が同じ顔つきになるように、おじいちゃん、お父さんが受け口であれば、お子さんも受け口になる可能性が高くなります。そうなると、アゴなどの顔つきの遺伝から歯並びも同じように影響してくるというわけです。もうひとつは、環境的要因です。指しゃぶりをひと晩中8~10時間毎日続けていることで、歯並びが悪くなってしまったり、片方だけで噛み続けてしまったり、口呼吸になってしまうことで、歯並びに不自然な力が加わり、歯並びがデコボコになる“らんぐい”や、“出っ歯”傾向になってしまう場合もあるんです」
