【小児科院長監修】チック症の原因と症状、親がとるべき対応は?

【小児科院長監修】チック症の原因と症状、親がとるべき対応は?

我が子がチックかも? と思ったら…

チックは、幼少期から小学生の時期に出始めることが多く、だいたい12歳くらいが一番出やすく、それからはだんだん目立たなくなっていくケースがほとんどだそう。

「チックは、単なるクセなのか非常に判断が難しい場合もありますし、程度の差もありますので、まずはしばらく様子をみてください。ただ、本人が症状によってつらい思いをしていたり、生活面に支障がでたり、周りに迷惑がかかってしまうようでしたら、かかりつけの医師や、専門の小児精神科の先生に相談して、適切な診断とアドバイスをいただくのがよいかと思います」

チックと診断されたら、お子さんとの接し方や環境作りがとても重要だそう。

「チックというのは自分では止められません。“やめなさい!”と言っても無理なのです。悪いことをしているわけではないので、責めるような言い方はしないように。むしろ、過剰に反応するのではなく見守る姿勢でいいと思います。声かけをする際は、“つらくない?”“痛くない?”など、お子さんの気持ちに寄り添った声かけを心がけてください」

学校の担任の先生に前もって症状について話し、理解ある対応をお願いすることも、チックへの偏見や誤解からお子さんを守るために重要だという新井先生。

まずは症状についてしっかり理解して、間違った対応をしないこと。そして、医師や家族や周りの人の理解を得ながら経過を見守っていくことが大切ですね。
(構成・文/横田裕美子)

お話をお聞きした人

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新井慎一

尾山台すくすくクリニック 院長 (児童青年精神科医精神保健指定医、精神科専門医)

都立梅ヶ丘病院(現都立小児総合医療センター 児童思春期精神科)に9年勤務しキャリア磨く。 平成18年に『尾山台すくすくクリニック』を開 業。地域に根ざした児童青年精神医療を目指し ている。