●外反母趾(がいはんぼし)
親指が外側(小指側)へ曲がってしまった状態。
「遺伝もありますが、足が安定しないゆるい靴を履くことによって指の付け根の横のアーチが崩れることが原因です。親指の付け根に痛みを感じたり、炎症を起こしたりすることもあり、女の子に多くみられるトラブルです」

●扁平足(へんぺいそく)
筋肉やじん帯が育たないことで、足の内側の縦のアーチ(土踏まず)が崩れ、足の裏全体が床についてしまう状態。
「足の衝撃を受け止めるクッション機能が失われるため、足が疲れやすくなります。また、アーチが低下すると、外反母趾などにもつながります」
ほかにも、アキレス腱のラインが外側や内側に傾いてしまう“外反足・内反足”や、指の付け根のアーチが崩れて扇形に広がってしまう“開張足”。さらに、爪の左右の端が肉に食い込んでしまう“陥入爪”など、多くのトラブルが起こっているそう。
このように、今の子どもたちの足は深刻な状況であると実感しているという佐々木先生。
「足は体の“土台”ですから、足元の安定感こそが体の動きに大きな影響をおよぼすことは、言うまでもありませんね。靴は、服などと違って間違ったものを履くと足に悪さをするんです。そのことをしっかり認識してしっかりした靴選びをしなければなりません」
子どもたちの足を守るためにも、健やかな成長のためにも、親たちが“足育”に積極的に取り組んでいく必要があるのかもしれません。
(構成・文/横田裕美子)