老後貧乏を回避する、30代夫婦のマネー術

老後貧乏を回避する、30代夫婦のマネー術

増税や年金受給額の減額にともない、いまのママ世代が老後をむかえる頃には、ますますシビアな家計運営を迫られることが予想されています。となれば、早い段階からお金に対する意識を高く持っておきたいものです。 そこで、まずは節約にあたって心掛けたいことを、家計のプロフェッショナルに聞きました。

●固定費の削減を真っ先に実行

「節約と聞くと支出を抑えることを真っ先に思いつくものです。もちろん大切ですが、やり方があります。家計の固定費をどう削るかというのが重要です」とは、これまで1万世帯以上の家計を“診断”してきたファイナンシャルプランナーの藤川太さん。

「たとえば、通信費などのプランやオプション。最初に契約した時のまま放置していないでしょうか? これも無駄な固定費。定期的に見直し、不要なものがあればカットするべきです。改めて家計の支出を洗い出してみると、削れる固定費はじつはたくさんあるはず。貯蓄が上手な人は、それを直感的に分かっているため、固定費の比較検討を怠らない傾向にありますね」(藤川さん、以下同)

●小遣いを削るのはNG?

では、家計支出のなかで、特に固定費の減額が期待できるのはどんな費目なんでしょうか?

「特に大きいのは住居費、自動車関連費、保険、教育費、水道光熱費、通信費などですね。これらは自動で引き落としされることが多く、とくに下げようという意識を持ちにくいのですが、100円単位の固定費でも、こまめに見直していくことが大事です。

逆に、夫婦のやりくり費、いわゆる『小遣い』は、できるだけ削らない方がいいでしょう。お金を貯めようとすると、真っ先に小遣いをカットすることを思い浮かべる人が多いのですが、やりくり費の削減は、他の何よりも『生活レベルの低下』を実感させてしまいます。お昼のランチが外食からカップラーメンになれば、人は嫌でも生活の苦しさを実感してしまうでしょう」

そうなると、家計改善策であるはずの節約が苦痛になり、「お金を貯めて豊かになろう」という気持ちにブレーキをかけてしまうと藤川さんは指摘します。

老後貧乏を回避する、30代夫婦のマネー術

お話をお聞きした人

プロフィール画像

藤川太

生活デザイン株式会社 代表取締役

生活デザイン株式会社が運営する「家計の見直し相談センター」で10年以上にわたり1万5000世帯を超える家計の見直しを行ってきたファイナンシャルプランナー。資産運用、家計管理、マイホーム購入、不動産投資などに精通。