万引きする心理とは?駿河台大学心理学部教授がわかりやすく解説

万引きする心理とは?駿河台大学心理学部教授がわかりやすく解説

近年、高齢者における万引きの増加傾向がニュースで取り上げられるが、少年犯罪でも依然検挙数ダントツの“万引き”。わが子の成長を見守るなかで、“うちの子に限って…”、そう思いつつも、成長とともに“大丈夫かしら…” と、どこかで心配があるのも事実。では、子どもが盗みや万引きする心理とは? そこで、駿河台大学心理学部教授の小俣謙二先生に、お話を伺いました。

●未就学児が友だちのモノを盗んでしまう心理とは?

もし、幼稚園児のわが子がお友だちのモノを盗んでしまったら…。

「未就学児がお友だちのモノを取っちゃう、盗んじゃう心理というのは、ひとつの原因は、“ほしい”というストレートな欲求そのまま。自分は持ってないのに○○ちゃんは持っている…だからもらっちゃおうかな?という単純なこと。もうひとつは、関わりたいんだけれど、それが言えないから相手を困らせる…という“付き合うきっかけ”作りです。まあ、男の子が好きな女の子にちょっかい出して気を引くような感覚ですね。まだこの頃の子どもは遵法意識も未熟なので、よほどのことがないかぎり、ひと言、注意する程度にとどめるのがいいと思います」(小俣先生 以下同)

●小学生低学年の子どもが万引きする心理

小学校くらいになると、遵法意識は高くなっていく。

「小学校低学年くらいになると、“やってはいけないこと”とわかっていながらも、“対象への魅力”つまり、ほしいという欲求がどうしても我慢できずに万引きしてしまうというケースが一般的です。しかし、なかにはとても深刻なケースもあり、親から虐待されていて家出して生きるために万引きを繰り返す子、家庭環境に問題を抱えており、寂しさから万引きを繰り返す子、親に命令されて万引きするといったケースもあります」

子どもの万引き スーパー

お話を伺った人

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小俣謙二

駿河台大学心理学部教授

犯罪問題(とくに暴力や攻撃、犯罪被害者問 題、防犯活動など)を犯罪心理学と社会心 理学の両面から研究。また、子ども部屋問題や 高層住宅問題など、居住環境についても研究 している。日本犯罪心理学会理事、同編集委 員、日本環境心理学会会長、犯罪や地域の 防犯活動に関する講演活動、犯罪に関する新 聞、TVニュースなどマスメディアのコメントなど多 方面で活躍。