「いじめは、子どもの不満やストレスのはけ口なんです。子どもは、日ごろからいろいろなストレスを抱えています。例えば、学校が管理的だったり、威圧的だったり、今は家庭教育のストレスも子どもたちを追い込んでプレッシャーをかけているので、いじめることで発散してしまうのです」
そう話すのは、白梅学園大学教授で臨床教育学を専門とする増田修治先生。以下のように家庭教育を見直すだけでも、加害者になるリスクを防ぐことができるそう。
1)子どもに勝たなきゃダメ! なんでもできなきゃダメ! と要求しない
「今の子どもたちは、親御さんから“勝たなきゃダメ!”“なんでもできなきゃダメ!”と、追い込まれているのです。でも、なんでもできる子なんてどこに居るのでしょうか? そんな理想を突きつけられた子どもは、当然勝たなきゃいけないというプレッシャーや、うまくいかない焦り、不満、イライラを抱えます。そして、そのはけ口としていじめへ発展してしまうのです。どうか、わが子を“あなたらしくいなさい!”と、ありのままに受け入れ、決して勝つこと、万能であることを求めるのではなく、頑張る過程を褒めて見守ってやることを心がけてください」

2)子どもは放置しても絶対にダメ! 見守ることが大事
「教育熱心になるがあまり、わが子にプレッシャーをかけてしまうのもダメですが、放置、放任もダメなんです。子どもは愛を求め続ける存在なんです。愛されたいし、愛してほしいと思い続けている。親から十分に愛された子どもこそが、人を愛したり、人のマイナス面を認めたりすることができるんです。だから、“勝手にしなさい”と放っておかれると自己肯定感も育たないので、ストレスをためることになるんです」
では、どうしたらいいのでしょうか?
「大事なことは、“あなたのことを見てるし、 信じてるし、愛してるよ!”と、常に伝え、後ろから見守ってやることなんです。まなざしの安心感が何より子どもに必要なんです。逆に親御さんが“ダメな子だ”と思い続ければ、どんどんダメになってしまいますので、どうか気をつけてください」