身長を伸ばす○○はウソ? ホント? 衝撃の真実

身長を伸ばす○○はウソ? ホント? 衝撃の真実

昔から、 “○○は背を伸ばす”“背が伸びる○○”など、身長にまつわるいろいろな“説”や“商品”についてよく耳にしますよね? でも、これらは医学的にホントなのでしょうか? そこで、小児内分泌科の第一人者で、たなか成長クリニック院長の田中敏章先生にお話を伺いました。

「身長については、まことしやかに噂され、多くの人が信じこんでいる情報や知識がたくさんありますので、どうか惑わされないように気をつけてください」(田中先生 以下同)

●牛乳を飲むと身長が伸びるはホント?

わが子の背が伸びるように…と、牛乳をたくさん飲ませている親御さんも多いのでは?

「牛乳で背が伸びると言うのはウソです。背を伸ばすのは基本的には“たんぱく質”なんですよ。牛乳にもたんぱく質は含まれていますが、少量です。多く含まれているのは、カルシウムですよね? しかし、カルシウムは骨は強くしますが、背を伸ばす力は残念ながらありません」

身長が伸びる○○は、ウソ? ホント?

●よく寝る子は背が伸びるはホント?

「確かに、睡眠が少なければ成長率は悪くなります。しかし、知っておいていただきたいのは、長く寝ればいいということではなく、睡眠の“質”が重要なのです。背を伸ばすために重要な成長ホルモンは、時間で分泌されるものではなく、実は“深い睡眠”のときに出るんですね。しかし、人は深い眠りと浅い眠りを交互に繰り返していますから、ある程度の長さがないと成長に必要な成長ホルモンの量が確保できないというわけなんです。かといって、10時間以上寝たりしても、最後のほうは夢ばかり見て浅い睡眠なので、成長ホルモンはほとんど出ません」

よく午後10時から午前2時に成長ホルモンが分泌されるという説が巷に流れていますが…。

「これはまったくのウソで、何時に寝ようが成長ホルモンは出ます。深い睡眠と一致して分泌されるもので、昼でも深く寝れば分泌されることが、40年以上も前に世界的な学術雑誌に掲載され、確かめられています。つまり、時間帯ではなく、睡眠の質とある程度の長さが重要です。小学生では8時間以上、中学生以上であれば7時間以上の睡眠があればいいでしょう。ただし午後10時すぎには寝るような生活習慣をつけた方が、成長のためには良いと思いますが」

お話をうかがった人

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田中敏章

たなか成長クリニック 院長

東京大学医学部卒業後、神奈川県立こども医療センター、 マニトバ大学、虎ノ門病院、国立小児病院、国立成育医療 センターを経て、2007年、小児内分泌科疾患の専門クリニ ックを開設。第一人者として、低身長などに悩む子どもの治療 にあたっている。