●“排除”は将来の社会生活にマイナス
また、もう一歩踏み込んでその子や友達を呼んで、どんな状態かを見ることも手だと言います。
「排除しようとするのではなくて、逆に家に積極的に呼んで受け入れてしまうのも手です。そうすれば、自分たちは敵じゃないということを示すことにもなり、親が何かを言うにしても、良い関係の中でやめてほしいことをやめてと言えるようにもなります。相手の子どもの状態や子どもたちの人間関係をそれとなく把握することもできるのです」
さらに、そう遠くない将来、社会に出ていく子どものことを考えると、悪影響だからと言って排除することは、社会人になってからの人間関係にも影を落としかねないそう。
「集団生活というのは同じことをちゃんとできる、ということではなくて、自分の嫌いな人や合わない人もいて、その中で個人としてどう振る舞うかが大事なんです。幼稚園や小学校にダメな子や意地悪な子、やんちゃな子がいるように、大人になってからもそうした人はいるんです。あの子とあの子を排除すれば解決するというのは、社会に出たら通用しません。“人としてあり得ない”と思うような上司や付き合いにくい同僚とも上手くやらなければいけない。ただ、その中でも『これだけは許せません』という意思をどう上手に伝えるか、それを身につけることが幼少期から大事になってくるのです」
我が子を第一に考える親だからこそ、子どもの友達にも厳しい目を向けてしまいがち。しかし、真に我が子を想うなら、安易な排除に走らない交遊関係の築き方を、親が上手にアシストしてあげることが重要なようです。
(構成・文:末吉陽子/やじろべえ)
