おっぱい神話で授乳ノイローゼに…粉ミルクではダメなの?

おっぱい神話で授乳ノイローゼに…粉ミルクではダメなの?

51.3%。これは、厚生労働省が発表した『平成27年度乳幼児栄養調査』で、「赤ちゃんを“粉ミルク”ではなく“母乳”で育てている」という0~2歳児の赤ちゃんを持つママの割合。10年前に比べて約9%も上昇しています。この背景には、“赤ちゃんは母乳で育てるべき”という、いわゆるおっぱい(母乳)神話が、ママたちの間に広まったからなのかも。
おっぱい神話で授乳ノイローゼに…粉ミルクではダメなの?

赤ちゃんの発育に影響も… 神話に悩まされるママたち

そもそも、おっぱい神話とは、「母乳で育てないと免疫がつかない」、「粉ミルクで育てるとキレやすい子に育ってしまう」など、赤ちゃんは母乳で育てることを推進する説。産後一週間以内に分泌される母乳は、「初乳」が含まれており、「免疫グロブリン」という成分が、赤ちゃんに免疫力をつけさせる。また、母乳をあげることにより、オキシトシンが分泌され、子宮の収縮が促がされるなど、母乳育児にはメリットがあるといわれています。

しかし、ママたち全員が、十分な母乳が出るわけではありません。あまり母乳の出る体質ではない。また、今まで母乳が出ていたのに、ストレスや病気で、ある日突然母乳が出なくなったりすることも。母乳を出すために、インターネットや本で調べたことを実践しても、なかなか効果がでない時だってあります。

苦悩と葛藤しつつ、それでもおっぱい神話から離れられず、授乳ノイローゼになってしまうママもいます。どうしても母乳で育てようとした結果、1カ月の定期検診で、赤ちゃんの体重が生まれた時よりも減ってしまっていた、そういったことにもなりかねません。

母乳があまり出ない場合は粉ミルクを

母乳が問題なく出るママは、母乳で育てる方が良いのかもしれません。しかし、母乳があまり出ないママは、粉ミルクという選択肢があります。ママのなかには、「粉ミルクは成分が心配…」という人もいると思いますが、厚生労働省が定めた『母乳および乳児用調製粉乳の成分組成と表示の許可基準』(ビタミン、エネルギーなど20種類について定められている)をクリアしているものであれば、安心ではないでしょうか。

ちなみに、冒頭で触れた「粉ミルクで育った子はキレやすい」の他、「質の悪い母乳や粉ミルクを飲むと、赤ちゃんの毛が逆立つ」、「粉ミルクだと必ずアレルギーや発達障害になる」などといった話は根拠のないデマともいわれています。