【大学教授に聞いた】いい子がなぜ犯罪を犯したのか? その背景とは?

【大学教授に聞いた】いい子がなぜ犯罪を犯したのか? その背景とは?

●いい子が犯罪を…ニュースをきっかけに、今一度、自身の親子関係、家族関係を振り返ってほしい

「もちろん、本当にいい子としてがんばってきた子が周囲からの過度な期待のプレッシャーで弱音も吐けず、挫折などをきっかけに精神的に追い込まれ、犯罪を犯してしまうようなケースも確かにあります。しかし、このケースについても、挫折した子が皆犯罪を犯すわけではないですよね? つまり、重要だったのは、挫折したときに、親や周囲がどう対応したか? なのです」

“いい子が犯罪を…”という事件などを目の当たりにしたときには、今の時点でわが子がいい子で問題なかったとしても、ぜひ自身の親子関係、夫婦関係など家庭環境を今一度見直したり、振り返ってほしいと、小俣先生は話します。

「日々の生活に追われていると、なかなか家庭をじっくり振り返るきっかけを失ってしまうものです。少年犯罪などのニュースを見て過剰に不安になることはありませんし、ご自身の子育てに自信を持っていただきたいのですが、決して他人事ではないことも事実です。“最近、ちゃんとコミュニケーションとれているだろうか?”“話は聞いてあげられているだろうか?”“最近、異変はないかな?”“ちょっとプレッシャーかけすぎかな?”…と、ぜひ親子関係や家族関係を振り返ってみてください」

ほとんどのいい子は犯罪を犯すことなく成長していくもの。しかし、子を持つ親としては、決して人ごとではないということも肝に銘じて子育てしなければなりませんね。
(構成・文/横田裕美子)

お話を伺った人

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小俣謙二

駿河台大学心理学部教授

犯罪問題(とくに暴力や攻撃、犯罪被害者問 題、防犯活動など)を犯罪心理学と社会心 理学の両面から研究。また、子ども部屋問題や 高層住宅問題など、居住環境についても研究 している。日本犯罪心理学会理事、同編集委 員、日本環境心理学会会長、犯罪や地域の 防犯活動に関する講演活動、犯罪に関する新 聞、TVニュースなどマスメディアのコメントなど多 方面で活躍。