「“早く!早く!” と、何度まくしたてても、なかなか改善されるはずがありません。なぜなら、その場では一時的に行動したとしても、それは怒られたことに対しての条件反射でしかなく、早くしなければならない理由をきちんと理解していないからです」
そう話すのは、子育て本作家の立石美津子さん。せっかく一生懸命連呼してもいっこうに伝わっていないとは、なんとも悲しい…。では、ちゃんと伝えるために効果的な方法とは?
●早く! ではなく、早くしなければならない理由、早くしないと結果どうなるか…をきちんと伝えて理解させる
「早く! 早く! と言っても、なぜ早くしなければいけないのか? 早くしないと結果どうなってしまうのか? をしっかり伝えなければ、また同じシチュエーションになって繰り返すだけです。例えば、“早くしなければ、●●に遅れちゃう。そうすると、●●ができなくなるよ”などと、きちんと理由と結果を説明して理解させましょう。時間がないなかで冷静に説明するのは大変ですが、それを実践していくうちに状況を理解して自分から行動できるようになり、むしろママも楽になるのです」

●早く! の言い方をわかりやすく言いかえる
実は、“早く!”という言葉自体があいまいだという。
「“早く!”という言葉をどのくらい早くと考えるかは、人それぞれまったく違うもの。今すぐなのか、1分後なのか、5分後なのか…。つまり、親御さんの思っている“早く”を子どもに伝えたいのなら、具体的に言わないと伝わらないのです。仕事でも“朝イチまでに”と言ったら、何時かわかりますか? これも人それぞれ違ってしまいますね。なので、早くしてほしいときは、“あと5分の間に”や“100数える間に”など、具体的に伝えましょう!」
また、“早く”という言葉そのものが子どもを不快にさせる場合も。
「早く○○しなさい! と言われると、せかされている感じがして子どもだって良い気はしません。例えば、“早く起きなさい!”なら、“6時だよ、おはよう!”に換えたり、“早く食べなさい!”は、7時半までに食べようね”など、“早く”を使わない言い方に換えてみるのも効果的です!」
