停電が復旧 その後に起こる通電火災も侮れない
建物の倒壊や家具の転倒による被害。その次に怖いものは“火災”です。大震災直後のニュースで、建物が崩れ、火災が至るところで起こっている映像を記憶している人も多いのでは?
独立行政法人 消防研究所の資料『阪神・淡路大震災における火災からの教訓』によると、出火件数は285件、火災での死者は559人。これだけの火災が起こったのはなぜか。火災の原因が判明した231件のうち85件が電気による発火だそう。
巨大な地震が起こり、直後に停電。地震の影響で、電気ストーブやオーブントースターなどの電熱機器が、本や新聞、衣類などの燃えやすいものに触れている状態になり、電気が復旧し通電すると、そこから出火。または電気の配線が切れたり、水に濡れたりしてショート、漏電し発火する“通電火災“も大きな問題になりました。
巨大地震が起きたら自動でブレーカーが落ちる感震ブレーカーが有効
通電事故を防ぐためには、地震後ブレーカーを落とすことが推奨されています。内閣府、消防庁、経済産業省では、地震を感知すると自動的にブレーカーを落として電気を止める“感震ブレーカー”の設置を呼びかけています。現在では、電気工事が必要な、分電盤につけるタイプやコンセントにつけるタイプ、電気工事が不要な簡易タイプなど、多種多様な感震ブレーカーが売られ、自宅のブレーカーを感震ブレーカー替えることができるのです。
ですが、なかには感震ブレーカーについて否定的な意見をもっている専門家も。
感震ブレーカーは、揺れを感知して、その直後、あるいは数分後にブレーカーを遮断するというもの。例えば震度7クラスの地震が起こったその直後にブレーカーが落ち、真っ暗のなかで避難しなければならないとしたら、本当に危険だ…ということです。確かに、家じゅうの物が倒れたり、ガラスが割れ、床に散乱していたりするなかでの暗闇は、想像するだけで恐ろしいですよね。
