子どもの言動が最近おかしい…統合失調症の前触れ?

子どもの言動が最近おかしい…統合失調症の前触れ?

およそ100人に1人の割合で発症するといわれている精神疾患・統合失調症。いったいどのような病気なのか。全国精神保健福祉会連合会(みんなねっと)事務局長の小幡恭弘さんに聞いた。

●統合失調症ってどんな病気?

「人は、日々ものを考え、感情を持って生活しています。統合失調症は簡単にいうと、脳に何らかの異常が起こり、脳内の情報伝達物質のバランスが崩れることで、思考や感情がまとまらなくなる状態となる精神の病気です」(小幡さん 以下同)

統合失調症は、10代後半から30代と、比較的若年層に発症するケースが多い。症状は、幻覚や妄想などが表れる「陽性症状」、意欲の低下などが起こる「陰性症状」、ものごとに臨機応変に対応しにくくなる「認知機能障害」の3つに分類できる。

●「子どもの言動がおかしい」と感じたら

小幡さんによると、統合失調症の大きな特徴のひとつは「自覚症状がないか、気づきにくい」ことなのだそう。本人の言動にそれまでにない奇妙さが目立つようになって、家族など周囲の人間が発症に気づくケースが多いという。

もしも子どもに以下のような兆候が見られたら、統合失調症の症状である可能性もある。

□活発だったのに、ぼんやりすることが多く部屋にこもりがちになった
□「自分の思考が外部に漏れている」などと訴える
□「常に誰かに監視されている」などと訴える
□話の内容につじつまが合わないことが多く、同じ話をくり返す
□意欲・気力の低下が著しく、何をするにも億くうがる
□「すれ違う人やみんなが自分の悪口をいっている」と異様に周りの目を気にする
□きれい好きだったのに、身だしなみや整理整頓に気を使わなくなった
□極度の不安や緊張感、必要以上の慎重さを持って行動するようになった
□ひとりでニヤニヤ笑う、独り言が多くなった
□極度の不眠、あるいは過眠

クエスチョンマーク

お話をお聞きした人

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小幡恭弘

公益社団法人 全国精神保健福祉会連合会(みんなねっと)

社会福祉士。日本福祉大学社会福祉学部卒業。精神障害者共同作業所、精密機器製造業、社会福祉法人施設長、部長など経て、平成28年より事務局長を務める。