子どもを悩ます“モンスター教師”との効果的な戦い方とは?

子どもを悩ます“モンスター教師”との効果的な戦い方とは?

●大人の対応でもらちが明かなければ、強硬手段も視野に

目指すのは、教師が非を認めて謝罪することではなく、事実の共有。それにより「この子にはもう下手なことができない」という意識を持ってもらうことが重要なのだという。

「確かに先生が非を認めて謝罪してくれれば、親としては達成感が得られるでしょう。でも残念ながら、いくら親が行動を起こしても教師の価値観は変わりません。根本解決のためには教師の労働環境を変えることから始めなくてはいけないし、もっと掘り下げるとそれは日本の社会問題にもつながります。だから親としては教師と戦うのではなく“いかにうまくやり過ごすか”を考えるのが賢い選択なのです」

ただし、事実の共有ができても問題が一向に解決せずに子どもが苦しむケースの場合、もう少し具体的に動いてもいいそうだ。

「大人な対応でも子どもに対する対応が変わらないようなら、校長などの管理職に話しましょう。生徒の親からの訴えがあれば、管理者も“指導”の形で改善指示が出せます。それでもダメなら同じクラスの保護者と連携を取りながら、持ち回りで授業を見学する形で見張る方法も有効です。ただこの方法は子どもたちに余計な動揺を与えてしまいますし、本当に最終手段だと思ってください」

モンスター教師の問題は、ただ感情にまかせて怒っても解決しない。親にも大人の対応が求められるのだ。
(高山惠+ノオト)

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おおたとしまさ

雑誌編集者として育児誌、教育誌、妊婦誌、旅行誌などのデスクを歴任。私立小学校での教員経験も持つ。現在は教育ジャーナリストとして育児や教育に関する書籍やコラム執筆・講演活動などを行っている。近著に『なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?』(祥伝社新書)『習い事狂騒曲 正解のない時代の「習活」の心得』(ポプラ新書)など。