●日本版GPSを実現する「みちびき」
とはいえ、こうしたGPSの問題も、今までの人工衛星の使われ方ではあまり問題視されていませんでした。しかし、近年のAIの発達などで、自動運転車など高い精度の位置情報が必要とされてきたため、人工衛星「みちびき」を4機打ち上げる計画が立ち上がったというわけです。みちびきは日本上空に長時間滞在する特殊な軌道で飛ぶように設計されており、4機のどれかが常に日本上空にいることで、GPSの精度を上げることが目的とされています。
これにより、自動車であれば車線単位での認識が可能になり、トラクターでは植えた稲の隙間を、稲を踏まないように自動で走らせるといった、これまででは難しかった精度での自動運転などが可能になる見通しです。
今までは、場所を知る手段にとどまることが多かったGPS。日本での人工衛星が運用されることで、多くの交通手段や工業・農業の自動化が期待されています。全てが自動で動く未来も、そう遠くないかも?
(文・姉崎マリオ)
