●危険な偏った報告と間違った情報
今回の報道を受けネット上ではたまたま店頭で売られている魚にアニサキス、あるいはアニサキスのような物を見かけたということだけで、特定の店舗をネット上で攻撃してしまうケースも。さらに、「よく噛めば大丈夫」、「新鮮な魚ほど危険」といった、不確定な情報が拡散されています。
市場で並んでいる魚にアニサキスがいるかどうかは目利きの職人でもわからないので、たまたまアニサキスがいたからといって、そのお店を攻撃するのはお門違い。業務妨害になる可能性もあります。また、アニサキスは小さいサイズでは歯の隙間にも入り込める大きさなので、一概に噛めば大丈夫とも言い切れません。アニサキスは時間が経過すると内臓から身の部分へと移動するといわれていることから、内臓さえ取り除けば新鮮な魚の方が安全という意見もあります。
これまでも身近な存在でありながら、たまたまネットで影響力のある芸能人が食中毒になったことをきっかけに過熱報道されてしまったアニサキス。確かに、なかに虫がいると考えると、魚を食べることに抵抗が生まれてしまうかもしれませんが、店頭に並んだおいしい魚たちを無駄にしないよう、あまり気にしすぎないのも大事なのかもしれません。
(文・姉崎マリオ)
